2020年12月30日

2020年パドレスのポストシーズンとオフシーズン

2020年も末に差し掛かり旧聞になってしまったが、ワールドシリーズでロサンジェルス・ドジャースがタンパベイ・レイズを下し、32年ぶりのワールドチャンピオンの座に就き、コロナ禍で混乱に満ちた2020年MLBシーズンは終了した。ワールドシリーズに過去4年3回目の出場で悲願を果たしたドジャースには、32年後の2052年ワールドチャンピオンまで大人しくして頂きたい。

一方パドレスは60試合の短縮レギュラーシーズンを37勝23敗で終えた。勝率.617は球団史上最高で、得失点差から算出したピタゴラス勝敗も38勝22敗なので偶発的な幸運で得た勝利というわけではなさそうだ。

14年ぶり進出のプレーオフ、NLワイルドカードシリーズの相手は14年前と15年前同様セントルイス・カーディナルス。しかし先発1-2番手のラメットとクレビンジャーが肘の不具合で欠場。今年不調のパダックが第1戦に先発するも直球を打ち込まれ3回持たずに6失点で降板。徐々に追い上げるもあと得点圏であと一本が出ず7対4で初戦を落とした。

負ければ敗退の第2戦先発のデイビーズも2回までに4失点。2点を返すもカーディナルスに2点を追加され6回表終了時迄に6対2のリードを許す。
敗退濃厚かと思われたこの試合だが、パドレス球史に残るベストバウトになった。

第1戦で沈黙していた若きスター、フェルナンド・タティス・ジュニアが一閃のスイングで放ったライナーは左翼スタンドへ着弾。3ランHRで1点差に。次打者マチャドも連続ホームランを放ち一気に同点。

7回にマイヤーズが勝ち越しソロHRをレフトスタンドに叩き込み、タティスが今度はライトスタンドへ2打席連続のHRを放ち、走者ノラと共に本塁生還し3点リード。

カーディナルスも8回表に2本の犠飛で1点差に詰め寄るが、その裏にマイヤーズが2本目となるHRを放ちプロファーを迎え入れる。なおポストシーズン同一試合で2選手が2HRを放ったのは1932年ヤンキースのベーブ・ルースとルー・ゲーリック以来。ルースの予告ホームランが後世に語られた例の試合だ。9回から登板したローゼンタールがゴールドシュミットにソロ弾を浴び、無死1-2塁のピンチを招くもどうにか後続を断ち切り11対9で勝利し第3戦へ望みをつなぎ、スラムディエゴ・パドレスの面目躍如となったノーガードで打ち合う死闘だった。

投手を使い果たした第3戦はクレッグ・スタメンが先発のブルペンデー。この日も大量失点で苦しむかと思いきや細かい系統が功を奏した。ホズマーの二塁打で先制したのちに追加点を重ね、終わってみれば4-0。9投手継投の完封勝利は少なくとも20世紀以降のレギュラー・ポストシーズン共で初記録。積年の宿敵カーディナルスを下しNLDSへ進出。1998年以来のポストシーズンシリーズ勝ち抜けだった。

そして先のドジャースとNLDSで対戦。第2戦はあと一歩まで詰め寄ったが、層の厚さで及ばず0勝3敗で敗退。レギュラーシーズンは60試合ながらも、例年より長いシーズンを終えた。

ドジャースとの第1戦に復帰し先発するも2回の投球開始前に降板したクレビンジャーは、結局トミージョン手術を受けることになり2021年は全休。ラメットの肘の具合も来春キャンプで投げてみないと状態が分からないという不安な見通し。先発投手の補強がパドレスオフシーズンの最重要課題であった。

ウィンターミーティングどころかクリスマスを過ぎても主だった補強の動きを見せなかったA.J.プレラーGMは、12月29日に大砲をぶっ放す。タンパベイ・デビルレイズから左腕ブレイク・スネルをトレード獲得。代償は今年メジャーデビューを果たした球団3位プロスペクト右腕ルイス・パティーニョ、2年前のMLBトッププロスペクト捕手ながらメジャー投手相手の打撃に苦労しているフランシスコ・メヒア、今年3巡目ドラフトながら1巡目級の素質に恵まれた右腕コール・ウィルコックス、2017年ドラフトの強権捕手ブレイク・ハント。特に今までアンタッチャブルだったパティーニョの放出は痛いが、2年前にALサイ・ヤング賞に輝いた28歳投手を得るには払い過ぎという対価ではなさそうだ。

スネル獲得の報から数時間後、2発目の補強が明らかになる。今年韓国KBOで3割30本23盗塁の好成績を残した遊撃手、金河成(キム・ハソン)の獲得。三振率が10.9%と低く選球眼も良い25歳と、少なくとも4年以上の契約を結んだと報じられた。

ここでもプレラーの補強は止まらない。新たな投手補強の噂が現実味を帯びてくる。ターゲットは今年のNLサイ・ヤング賞2位、シカゴ・カブスのダルビッシュ有。

スネル獲得時同様、高ランクのプロスペクト放出が予想された。しかしトップ10以下のプロスペクト4人(レジナルド・プレシアード(球団プロスペクトランク11位)、オーウェン・ケイシー(13)、イスマエル・メナ(15)、イェイソン・サンタナ(16))に、今年パドレスで安定した先発投球を見せたが来季末FAのザック・デイビーズというパッケージで、ダルビッシュは専任捕手のビクター・カラティニと共にサンディエゴにやってくることに。4プロスペクトはトップ10以下とはいえMLB屈指の層の厚さを誇るパドレスのランクなので好素材ではある。しかし彼らはドミニカ夏季リーグが新人リーグの所属でメジャー昇格まで4年は掛かりそうなまだ未知数な選手達だ。再建期に入るカブスに代わり残り3年の年俸$62MMのうち$59MMをパドレスが負担するため、遅過ぎるよりは早過ぎで売りたいスネルのケースに比べ評価が低めの代償で34歳のエースを手中に収めた。

ちなみに同じオフに過去3年のサイ・ヤング賞2位以上の投手を2人獲得した球団はパドレスが史上初だ。

ざっとだが、来季の先発投手と打順予想はこうだろうか。

先発
1.ダルビッシュ
2.スネル
3.ラメット
4.パダック
5.ゴア、モレホン、ウェザース、ルケイシ

既にリーグ最強と噂されるローテーションだが、さらに2022年にはクレビンジャーが復帰する。

打順

1. CF グリシャム
2. SS タティス
3. 3B マチャド
4. 1B ホズマー
5. LF ファム
6. RF マイヤーズ
7. 2B クローネンワース又はキム
8. C   ノラ又はカラティニ

ブルペン
CL ポメランツ
SU パガーン
左1 ストラム
左2 ティム・ヒル
右1 ピアース・ジョンソン
右2 オースティン・アダムズ
右3 スタメン
右4 ゲラ

これらの投手に加え、右リリーフに今年マリナーズから加入したアルタビラとテイラー・ウィリアムズにベドナーやバエズ、左腕は故障明けのカスティーヨらが控える。

野手の控えは二遊間と外野が守れるマテオ、外野にグレッグ・アレン、今オフにレイズからリリースされた後に契約したブライアン・オグレイディあたりか。

そしてマイナーにはMLBトップ左腕プロスペクトのマッケンジー・ゴアは来季AAA、今季メジャーデビューを果たしたMLB3位捕手プロスペクトのルイス・キャンプサーノはAA。俊足巧打の遊撃手C.J.エイブラムスはシングルA+でパドレスの一員として来季開幕を迎える。コロナ禍でどの球団も来季の収入が不透明な中、キャッシュではなく過去4-5年で黒星と共に貯めに溜め込んだプロスペクトを通貨替わりにトレードチップに用い、24時間で大型補強を連発した。しかし球団トップ5プロスペクトで手放したのはパティーニョだけで収めたプレラーの手腕は見事だ。

これらの補強を見る限り、2020年代を黄金期としたいパドレスはより早急なリターンを求めているといえよう。クレビンジャーの契約は2022年迄、スネルとダルビッシュは2023年迄なので、向こう3年でワールドチャンピオンを狙うという明確な期限が設けられたことになる。同地区ライバルかつ名実ともにMLB最強の今季覇者ドジャースをレギュラーシーズンかポストシーズンで打ち負かして、だ。もちろんタティス、モレホン、ゴアらは3年後も20代前半なので2023年以降に戦力が大幅ダウンするとは考えづらいが、17歳から22歳のプロスペクトを主な代償とした28歳と34歳の投手獲得は、タイムラインの前倒しを意味する。

今後の補強ポイントは何処だろうか。残り2年$40MM超のマイヤーズを放出しない前提なら、第一にクローザーだろう。今季の前半と後半にクローザーを務めたイェイツとローゼンタールはFAとなった。イェイツは肘の遊離骨除去手術を夏に受けたが、回復が順調なら来春に間に合う見込みだ。ローゼンタールは複数年契約を求めるだろうが、イェイツなら1年+インセンティブで$10MM以下で収まるかもしれない。

クローザーも他ポジションの例に漏れずFA市場は冷え込んでおり、元CINのアーチー・ブラッドリーやOAKのリアム・ヘンドリクスらエリート級もまだ契約が決まっていない。2月、ともすれば3月に売れ残った実績あるクローザーを買い叩こうとするかもしれない。ポメランツでも大きな不安はないが、左腕リリーフは9回より手前のイニングで起用したいところだろう。

あとは三塁手(二次的に一塁手)の控えだろうか。タイ・フランスをマリナーズに放出後、マチャドに怪我が起きた場合に代わりを務められる三塁をメインポジションとする選手がマイナーにも居ない。今の戦力だとクローネンワースかキムの余った方が三塁控えだろうが、もう少し長打力のある右打者が居ても良い。古い友人ならジェド・ジョーコ辺りか。このポジションも早急に補強を要するわけでもないが、もしドジャースの様に複ポジションを守れるレギュラー級クラスでロースターを固める方針を推進するなら、もう一度大きな動きが見られるかもしれない。レギュラー級の選手がフル出場できない可能性が大きい球団にFA移籍してくるとは考えづらいので、その場合はトレードになるだろう。
posted by つかみ男 at 20:33| Comment(0) | パドレス-ニュース | 更新情報をチェックする

2020年10月13日

まつもと泉さん死去

漫画家まつもと泉さんが亡くなった。長年脳髄の病気を患っており、晩年は全盛期の絵を描く事が出来なかったと予てから聞いていた。個人的にはエディ・ヴァン・ヘイレンや筒美京平氏の訃報よりショックを受けた。

代表作は『きまぐれオレンジ☆ロード』、殆どの読者が知る唯一のまつもと泉作品だがアニメ化するほどヒット。中盤にワンパターン化したが、連載打ち切りが告げられ限られた回数の終盤で第1回の伏線をSF調に回収した展開は見事だった。あと優柔不断という言葉の意味をこの漫画で知った。

ただまつもと氏最大の功績は 『きまぐれ』 のストーリーよりも、80年代半ばもしくは週刊少年ジャンプ史上最高のヒロイン、鮎川まどかを描いた事にある。氏本人も『きまぐれ』連載中の仕事について「鮎川まどかを描いていた」とコメントしていた。連載当時人気の絶頂期にあった中森明菜がモデルで、元々不良少女だったが主人公との交友を重ねるにつれ、徐々に心を開き親しみやすくなっていく流れは多くのファンを魅了した。その一方で繊細で多才の持ち主だったため、ミステリアスな雰囲気は最後まで崩れない絶妙なバランスを保っていた。同時期週刊少年サンデーで連載中だった『タッチ』(あだち充)の完全無欠な明るく少しあざとい人気ヒロイン、浅倉南とはまた異なるキャラクターだった。

当初は線の少ない吾妻ひでおと江口寿史の影響を受けていたが、後に細野不二彦といのまたむつみにも影響される。おかげで顔から上の頭部が大きくなり、繊細な線と陰影が増えていった。特にコミックス表紙などのフルカラーは、当時の少年誌ではトップクラスの美しさだった。まどかのソロショットが多く、主人公が殆ど出てこない表紙は珍しかった。

アニメ版の主題歌『Night of Summer Side』(池田政典)や『鏡の中のアクトレス』(中原めいこ)も、高BPMの8ビートに乗るマイナー曲調がスリリングで、大人の世界に背伸びする世界観にマッチする良曲だった。特に前者は隠れ80年代名作曲家、NOBODYによる前奏のコード進行がテンション重ねまくりでオメガトライブ辺りのAOR風シティポップを彷彿とさせる。そして中高生が主人公なのに、どちらの曲もクルマが歌詞に登場する。

80年代半ばバブル期の豊かさがシーンや背景に反映されていた。 連載当時が小学生だったため、中学3年生くらいになったらそういう付き合いや行きつけの喫茶店でもできたりするものかと憧れたりもしたが、石神井公園駅北口から自転車で15分の練馬区大泉町近辺にはそもそも喫茶店がなかった。小松の様な悪友も作れなかったので、ディスコのチークダンスにも縁がなかった。ただヤンキーの多さだけは身近の現実が漫画を凌駕した。今日は心の中で詰襟を着て、古谷徹の声真似で台詞を音読しようと思う。「鮎川…」
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2020年09月23日

パドレス、14年ぶりのポストシーズン進出決定

2020年9月20日のマリナーズ戦、パドレス3点リードの11回裏、トレバー・ローゼンタールがフィリップ・アーウィンを空振り三振に斬って獲った。この瞬間、ワイルドカードによる2006年以来14年ぶりのポストシーズン進出が決まった。

COVID-19の影響による60試合への短縮シーズンで、ナショナルリーグ西地区ではドジャースが既に地区優勝を決めている。各リーグ8チームがプレーオフに進出できるが、優勝決定日時点におけるパドレスの勝率.630は球団史上最高で、今年のNLでもドジャースに次ぐ2位。162試合換算で102勝と堂々の成績だ。

2006年といえば、同じ状況なら別のトレバー(ホフマン)が登板していた頃の昔の話だ。他の殿堂入り選手マイク・ピアザも居た。チームWARトップ野手はマイク・キャメロン、投手はクリス・ヤング。ジェイク・ピービーが投手三冠でサイ・ヤング賞を獲る前の年だ。

監督はブルース・ボウチー、GMはケビン・タワーズだった。この後二人の正監督(バド・ブラックとアンディ・グリーン)とGM(ジェド・ホイヤーとジョシュ・バーンズ)がパドレスに加わるも、勝ち越しシーズンは2007年と2010年のみ。日の目を見る事なくチームを去った。
1996年からパドレスのTV解説を務めるマーク・グラントは14年に渡る不遇な時代の終わりに際し涙ぐみコメントした。「あまりに長かった」と。

この長き低迷期はオーナーが被った不幸によるものであり、その発端は夫婦関係の破綻だった。

当時のオーナー、ジョン・モーアスと彼の妻の婦人科主治医と不倫関係が明るみになり離婚。財産分与のためモーアスはパドレスを売却を試みる。この一幕はチーム年俸にも影響し、トレバー・ホフマンを放出。パドレス長年の功労者の600セーブ達成、そして引退シーズンをミルウォーキーで送らせざるを得なかった事はホフマン、パドレス、そしてファン其々にとって屈辱な一幕だった。また2010年オフにはパドレス史上最高の一塁手エイドリアン・ゴンザレスをレッドソックスに放出した。

ジェフ・ムーラッドが新たな球団オーナーとして名乗りを上げるも数年にわたる買収交渉は難航。挙句の果てに資金力が疑問視され他球団のオーナーから必要な賛同票を得られず買収話は白紙に。

プレーオフ未進出14年の間で、最も光明が見いだせなかった時期はジェド・ホイヤーの最終年とジョシュ・バーンズがGMを務めていた2011-2014年シーズンだろう。この期間の勝ち星は71-76-76-77。NL内のOPS+順位は16-6-7-16、対するERA+は8-14-16-3と投打のバランスを欠いたシーズンが続いた。戦績以上にこの時期のパドレスが精彩を欠いていた理由は、チーム構築の方向性が見えなかったことにある。チーム買収の混乱の中で年俸はリーグ最下位争いをするほど低く抑えられていたため、この低迷についてバーンズ元GMのみを責めるのは酷な話だが、資金を要さない若手トレードでの失敗が目立った。

生え抜きの三塁手チェイス・ヘッドリーは2012年にパドレス史上初の打点王を取るも、その活躍を維持できず2014年夏にヤンキースへトレード。エイドリアン・ゴンザレスの代償として得た一塁手アンソニー・リゾをアンドリュー・キャシュナーとの交換でカブスに放出。新天地でリゾはオールスターに選出される活躍、2016年のワールドシリーズ制覇に貢献する。

投手陣ではマット・レイトスが2010-2011年に台頭するも、ボルケス、アロンソ、グランダル、ボックスバーガーを獲得するためレッズに放出。精神面が不安定なレイトスは才能を活かせず29歳でメジャーのマウンドを後にしており、見切りと獲得選手の目の付け所は悪くなかったが、ボルケスの復活期と残り3人のキャリアイヤーが訪れたのはパドレスから放出された後だった。残りの投手も見回しても、複数年に渡りローテーションを任せられる先発投手は現れなかった。

2012年夏にロン・ファウラーら現在のオーナーグループが球団を買収するも、チームは低空飛行を続けた。

潮目が変わったのは2014-2015年オフ。2014年夏に解任されたバーンズの後任GM、A.J.プレラーによる突如の大型補強だった。ブレーブスからアプトン兄弟外野手(本命は弟ジャスティンで兄獲得はブレーブスのサラリー削減を請け負う形)とリーグ屈指の抑えキンブレル、ドジャースからベテラン外野手マット・ケンプを、またレイズとナショナルズとの三角トレードでAL新人王ウィル・マイヤーズを獲得するなど合計8つのトレードを、低迷期に蓄積したプロスペクトを大量放出にて敢行。そしてフリーエージェントでレイズとロイヤルズでAL優勝とワールドシリーズ制覇に貢献した先発投手ジェイムズ・シールズを獲得。パドレスファンの間で「オールイン」と呼ばれる補強劇である。

プレラーは元々当時のチーム主力をトレードに出し若手を獲得することで後のチームの強化を考えたが、望んだ程の有望株が得られそうもなかった為、一転しその主力を中心に就任初フルシーズンから勝負に打って出た。

期待に満ちた2015年シーズンだったが、蓋を開けると球宴前に41勝49敗と首位に10ゲーム差をつけられ、バド・ブラック監督はシーズン途中で解任。シールズやケンプらベテラン新加入選手の不調もあったが、遊撃手にユーティリティ控えレベルのアマリスタを起用するなど、そもそも元々のレギュラー選手が優勝を狙えるメンバーではなかった。シーズンを74勝で終える。

この失望に満ちた2015年シーズン終了後、プレラーは急拵えのチームを解体し、プロスペクトによる戦力構築という元々のプランへ大きく舵を切る。キンブレルをレッドソックスに放出しマーゴ、ゲラ、アスアヘ、ローガン・アレンらプロスペクトを獲得。この4人がパドレスで残した実績に目を見張るものは無かったが、アレンとマーゴは後に2020年パドレスのチーム編成に影響するトレードチップになった。

さらにジョーコやアロンソ、キャシュナーなど主力の働きを期待された選手も放出。前年獲得したケンプとシールズも2016年半ばに放出した。このシールズ放出トレードで獲得した2選手のうち一人が、まだマイナーリーグの試合にも出ていない、当時17歳のフェルナンド・タティス・ジュニアだった。

パドレストップチームの年俸は最下位を争うレベルだったが、プロスペクトへの投資にはどの球団よりも積極的だった。国際アマチュアサイニングにて、対支出100%の罰則金覚悟で$40MM超の契約金をばら撒き、後のプロスペクトとなるモレホン、パティーニョ、オニャ、ボラニョスらと契約。翌年以降はルール変更によりどの球団も上限額が大きく抑えられるため、その前に10代選手の青田買いを敢行。即戦力ではなく、5年先の戦力を見据えた投資だった。

2017年もトップチームの低迷を気にせず、マイナー層の充実に執心。ルール5ドラフトで獲得した3選手を、元チームへの返却を回避するために一年間メジャー出場枠に残すという策を弄する。特にそのうちの一人アレン・コルドバはルーキーリーグより上のリーグでプレーした事が無かった。当然メジャーで通用するレベルには至っていなかったが、元々勝つ段階にはないチームなので割り切っていた。

またプレラーは複数のポジションを担える選手を好んだ。元捕手プロスペクトのベサンコートに投手と外野手の三刀流をチャレンジさせたのは極例だ(失敗に終わる)。

ウェイバー経由での非プロスペクトや単年契約で獲得した出涸らしのベテランでロースターを埋めるお茶を濁していたパドレスの編成に変化が訪れたのは2018年開幕前。ロイヤルズからFAとなっていたエリック・ホズマーと球団史上最高額$144MMで8年契約を結ぶ。過大評価との見方が大半であったが、いずれにしてもメジャーで勝つ為の大型補強は、過去2シーズンとは明らかに異なる方針だった。その一方でロドニー、キャシュナー、ケーヒル、ハンドなどパドレスに拾われ活躍した選手をシーズン半ばに放出し、プロスペクトを獲得するという取引を繰り返した。加えて先の国際アマチュアとドラフトでも好素材を獲得した結果、2015年のオールインで枯渇しかけたプロスペクト層はMLBランク1位まで上り詰めた。

さらに2019年開幕前には球団史上最高額を大幅に更新する$300MM、10年契約でマニー・マチャドを獲得。そしてロドニーのトレードでマーリンズから獲得後、トミージョン手術上がりながらマイナーで圧倒的な成績を残した右腕クリス・パダック、MLBトッププロスペクトに成長したタティスがデビュー。飛躍が期待された年だったが、マチャドに次ぐ高額年俸打者のホズマーとマイヤーズが2年連続で不調。マチャド自身も年俸に見合う成績は残せなかった。

若手のマーゴとレンフローは伸び悩み。投手陣は2016年ドラフト組のルケッシ、ラウアーらが台頭するも優勝争いをするチームのローテには物足りず、それまで自慢だったリリーフ陣が崩壊。任期前半は元々勝つための戦力は与えられていなかったが、4年連続90敗以上を喫したアンディ・グリーン監督は解任。

そして自身の進退が掛かった2020年開幕前、プレラーGMはそれまで溜め込んだプロスペクトを餌に即戦力を確保する、今までとは逆のトレードを遂に敢行。頭数は多かったが卓越した成績を残していなかった外野手陣の整理に取り掛かる。まず長打力はあるものの低出塁率だったレンフローと遊撃プロスペクトのザンダー・エドワーズ、マイナー二塁手エステバン・キロスをレイズに送り、高出塁率のトミー・ファムとAAAの首位打者ジェイク・クローネンワース遊撃手を獲得。

そして同じくレイズにマーゴとローガン・ドリスコルを送り、リリーバーのエミリオ・パガンを獲得。そのマーゴに代わるセンターとして、先にブリュワーズから昨年期待通りの才能が開花したばかりのトレント・グリシャムを軟投派のザック・デイビーズをブリュワーズから獲得し、将来の二塁手候補だったルイス・ウリアスとラウアーを放出。故障がちの大型外野手フランチー・コルデロもボラニョスと共にロイヤルズに放出し、左腕リリーフのティム・ヒルと交換した。

新たな空白ポジションを埋めるべく、ジュリクソン・プロファーをアスレチックスから獲得するためオースティン・アレン捕手とバディ・リード投手の2プロスペクトを提供。かつてのMLBトッププロスペクトとしては物足りない成長ぶりで、二塁からの悪送球と消極的すぎる持球癖に疑問の目が向けられていたが、プレラーはレンジャースの国際スカウティング部門に属していた時に見出した資質を評価し続けていた。内野全ポジションと左翼守備が可能なユーティリティぶりもプレラー好みだった。

投手陣はパダックと同じく、トミージョン手術上がりのラメットが2019年後半の復帰時から故障前以上の球の切れを見せていた。この二人にデイビーズとこれまた故障上がりのリチャーズが加わるローテーションだった。

新監督にレンジャーズ時代の同僚ジェイス・ティングラーを招聘。1990年就任のグレッグ・リドック以来6人連続の新人監督だ。ユニフォームもファンが望む茶色と金色に変わった。戦力としては向上しているが、プレーオフを狙うには投打ともにギリギリの戦力に映った。

しかし予想以上に得点力が上がった。しかも新加入でない選手から。昨年まで打球角度が上がらずゴロの山を築き上げていたホズマーが開幕戦で6打点。過去2年のイメージを払拭するかの如くフライボールで長打を重ねた。

マイヤーズが続いた。昨年30%以上の三振を喫し、今年から年俸$20MMに上がることもあり幾度となくトレード候補リストに名を連ねたかつてのチームの顔は、イーズリー新打撃コーチと二人三脚でフォームを改善。たらい回しにされていたポジションは右翼に固定、昨年162試合で18本だったホームラン数は53試合で14本。打率も3割に乗せるキャリアイヤーの成績だ。確執が噂されていたグリーン前監督の影響も無い。

マチャドとタティスの三遊間コンビは共にMVP候補の活躍を見せ、彼ら4人はMLB史上初の4試合連続満塁ホームランの偉業を達成。"Slam Diego Padres"のニックネームが冠された。

疑問の二塁は打率3割超で新人王候補のクローネンワースが埋め、プロファーは故障したファム不在の左翼に就いた後にシーズン序盤の不振から立ち直り、打率を.270に乗せる。昨年ブリュワーズにてプレーオフで痛恨の失策を犯したグリシャムも、マーゴを惜しむ声が聞かれなくなる程の好守をセンターで披露し前任者以上の打撃成績を残す。そしてどの選手も2ストライクを恐れなくなり、結果出塁率も上がった。

先の補強に加えポメランツ、ピアース・ジョンソンを加え過剰とも思えるブルペンだったが、序盤は壊滅状態だった。抑えを務めていたイェイツが肘の遊離骨で全休。パガン、スタメン、ゲラらは乱調で、好調だった先発陣の足を引っ張る試合が続いた。

そして8/31のトレードデッドライン前に、投打の穴を埋めるべくプレラーは再び動く。

8/29にロイヤルズに外野手プロスペクトのエドワード・オリバレスと後日発表選手で、抑えのトレバー・ローゼンタールを獲得。

8/30にレッドソックスにジェイソン・ロサリオ外野手とハドソン・ポッツ三塁手の両プロスペクトを送り、今季からのDH制に対応すべくミッチ・モアランド一塁手を獲得。

8/31には昨年フランミル・レイエスを放出して獲得した外野手プロスペクトのテイラー・トランメル、マチャドとホズマーに阻まれ出番のないタイ・フランス、今年トミージョン手術を受けた速球リリーバーのアンドレア・ムニョス、元ルール5捕手トレンス、そしてAレベルのマイナー投手マット・ブラッシュをマリナーズに送り、待望の打てる捕手+ユーティリティのオースティン・ノラ、オースティン・アダムス、ダン・アルタビラ、テイラー・ウィリアムズの3リリーバーを獲得。

同日に制球難の速球リリーバー、ヘラルド・レイエスをエンジェルスに送り、ジェイソン・カストロを獲得。この日二人目の捕手獲得。

そして期限ギリギリでインディアンスに6選手(2016年ドラフト1巡右腕カル・クアントリル、好守貧打の捕手オースティン・ヘッジス、一塁をホズマー、左翼をファムに阻まれたジョシュ・ネイラー、遊撃プロスペクトのガブリエル・アリアス、軟投左腕プロスペクトのジョーイ・カンティーヨ、好打の二塁手有望株オーウェン・ミラー)を送り、先発投手マイク・クレビンジャーを外野控えのグレッグ・アレンと共に獲得。

これまで遮二無二溜め込んだプロスペクトを含む15選手を一挙大量放出し、トップチームの強化を完遂した。

先述の2014-2015年のオールインを引き合いに出す懐疑的なファンも居たが、マックス・フリードやトレイ・ターナーを放出した前回と異なり、今回はマッケンジー・ゴア、ルイス・パティーニョ、C.J.エイブラムスらトッププロスペクトは手放していない。そしてシーズン半分のレンタル選手はローゼンタールとカストロのみ。1998年のワールドシリーズ進出翌年にケビン・ブラウンやケン・カミニティ、スティーブ・フィンリーの放出を余儀なくされた様な1年勝負ではなく、向こう数年に渡り競争力のあるチーム造りを2016年から我慢を重ね目指してきた計画に則っている。OPS+は2019年のNL11位からに首位、ERA+も13位から4位へと大躍進した。

9月に8連勝し、両リーグトップのドジャースに1.5ゲーム差まで詰め寄るも地区優勝は逃してしまう。しかし他の地区ならどこでも優勝を残せる戦績だ。

プレーオフ進出を決めた9月20日のマリナーズ戦終了後、ヒーローインタビューを受けたのは1点ビハインドから逆転3ランHRを放ったウィル・マイヤーズ。オールインと解体、トップチームの低迷、その裏で行われたプロスペクト層の大量獲得、一転して大型補強、そしてこの日の結実全てを経験した唯一のパドレス選手だ。

この14年の間に長年ラジオ実況を務めた殿堂入りアナウンサーのジェリー・コールマン、ケビン・タワーズ、そしてミスターパドレことトニー・グウィンがこの世を去った。

4大スポーツ優勝タイトルを獲得していない全米最大の街サンディエゴに、かの先人達の手が及ばなかった初の栄冠は訪れるだろうか。
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2019年10月25日

ジェイス・ティングラー、パドレス監督に就任

シーズン終了前に更迭されたアンディ・グリーン前パドレス監督の後任(ベンチコーチだったロッド・バラハスが監督代行として残り試合を指揮)として、ジェイス・ティングラーの招聘が報じられた。公式発表はワールドシリーズ終了を待ち来週の見込み。

パドレスは2015年末からメジャーレベルの戦力を極限まで削り若手主体のロースターに経験を積ませる目的で負けを重ねる一方、ベテラン放出トレード、ルール5選手複数保有、ドラフト、国際アマチュア大盤振る舞い等でプロスペクト大量獲得。更に直近2年はエリック・ホズマーやマニー・マチャドといった大物FAを獲得し、2020年プレーオフ進出の準備を粛々と行ってきた。来年遂に勝負のシーズンを迎えるにあたり、ロン・ワシントンやジョー・マドン、ブルース・ボウチー等MLB監督経験者の名前が挙がったが、グリーン前監督と同じくMLBチームでの監督経験がないだけでなくプレー経験もないティングラーが選ばれた。最終候補はワシントンとティングラー、キャリアや年齢は対照的な二人だがA.J.プレラーGMと共にレンジャースに在籍していた。

高校バスケットボールのコーチを両親に持つティングラーは38歳。彼より若い現MLB監督はツインズのロコ・バルデリのみだが指導歴は長い。ミズーリ大学でイアン・キンズラーと共にプレーした。2003年にブルージェイズに入団するも、AAAルール5ドラフトで移籍したレンジャース傘下AAでプレーした2006年に25歳で選手を引退。スペイン語を学習し翌年からドミニカ夏季リーグでレンジャース傘下のチームのコーチを務めている。翌年から同チーム監督、アリゾナリーグ監督、アリゾナ・ドミニカ教育コーディネーター、マイナーリーグのフィールドコーディネーターを歴任。

2005年から彼を知り、育成能力を高く評価していたプレラーがパドレスGM就任後の2015年に引き抜こうとしたが、レンジャースに拒否され叶わず。ティングラーはメジャーリーグのフィールドコーディネーターに昇進し、ジェフ・バニスター監督をサポート。2016年11月から2018年までアシスタントGMを務め、同シーズン終盤はベンチコーチ代行。2019年はメジャー育成コーディネーター職に就き、直近ではジョシュ・ネイラーらがプレーするドミニカ冬季リーグ球団レオネス・デル・エスコヒードの監督を務めていた。

上記のフィールド内外の経験を業界内で高く評価され、以前にもレンジャースやツインズの監督候補としてティングラーの名前が挙がったことがあり、今回パドレスで初めて念願のメジャーリーグの監督職を得た。今季グリーン監督は選手との関わりに課題があったとされるが、ティングラーのコミュニケーション能力や育成経験は若手が多いパドレスにはプラスに働くこと、そしてアシスタントGM時代に培われた分析能力との融合が期待されている。

球団内からは経験豊富な監督を求める声も挙がったが、リスクテイカーのプレラーGMは自らの野球観との一致を優先し、定石を踏まず新人監督を選んだ。だがツインズのバルデリ監督やレイズのキャッシュ監督らは初めて指揮した裕福でもないチームをプレーオフに導いており、メジャーでの経験不足が戦績に影響するとも言い切れない。ちなみにパドレスの監督は1990年就任のグレッグ・リドックから6人連続で新人監督(リグルマン、ボウチー、ブラック、グリーン、ティングラー)である。

監督就任発表後にはコーチ組閣が待っている。ちなみにロン・ワシントンがコーチとしてパドレスに雇われる可能性はないとのこと。選手からの信頼が厚いダレン・バルスリー投手コーチやグレン・ホフマン三塁コーチは残留濃厚だが、メッツ監督職の面接を受けたスキップ・シューマッカー一塁コーチは退任の可能性もある。

またワールドシリーズ終了5日後までに40人枠入り選手の選定を行わなければならない。来季パドレスの躍進が無ければプレラーの進退問題に係わる。ここから新人監督招聘以上にインパクトとリスクを伴う編成がなされるだろう。
posted by つかみ男 at 16:53| Comment(0) | パドレス-人事異動 | 更新情報をチェックする

2019年02月20日

パドレス、マニー・マチャドと契約

パドレスはFA三塁/遊撃手のマニー・マチャドと10年$300MMで契約と報じられた。フィジカルチェック後に公式発表の見込み。ホワイトソックスとフィリーズらに競り勝ったオファーはMLBのみならず、北米スポーツ史上最高額のFA契約となる。

The AthleticのEno Sarrisはパドレスと今回のマチャド加入は「完璧な組合せ」だと称賛している。

2019年のパドレスにはさほど大きな影響をおよぼさない。今年は76勝86敗との予測で、5+WARのマチャド加入でも勝率5割程度だろう。

本格的な意味を持つのは2020年以降だ。現在マチャドは26歳で、一般的には絶頂期を1-3年後に控える年齢だ。そして1-3年後の2020年-2022年は、パドレスが近年取り組んできた育成開花時期と合致する。

メジャーレベルで年俸を極限まで削る一方、2015年大型補強の失敗から早めに舵を切り、ベテランをトレード放出しシングルA以下のプロスペクト獲得。さらにドラフトや国外FAマーケットでの大盤振る舞い、ルーキーリーグのみ経験者含むルール5ドラフト指名選手3人メジャーロースター残留等、パドレスがあの手この手で大量に溜め込んだプロスペクトが続々とメジャーデビューする。

今年はタティスに加えクアントリル、ローガン・アレン、ネイラー。来年はパダック、モレホン、バエズ、オースティン・アレン。再来年はゴア、パティーニョ、エスピノーザ。

彼ら全員が大成するとは考えづらいが、30球団トップの質と量を保つと称されるパドレスファーム組織がトップチームに大きな影響を与える収穫期が始まりつつある。投手陣のFAにほとんど手を付けない理由も投手有望株の層の厚さにある。

なお2019年のパドレス年俸$75MMのうち、$23MMはオリベイラ、ヒューズ、ジョーコ、シールズ、リチャードら現在パドレスでプレーしていない選手分の負担である。2020年負担分はオリベイラのみとなり、さらに戦力資金に余裕が生まれる時期は今回の補強と合致している。

遊撃守備を好んでいるマチャドだが、パドレスでは球界屈指のプロスペクトであるフェルナンド・タティス・ジュニア(5月頃昇格見込み。それまではキンズラー二塁でウリアス遊撃)に譲り、評価が高い三塁守備に就く見込み。1-2年前まではタティスの守備を不安視する声もあったが、今は平均以上の守備をこなすだろうという評価を得ている。一塁ホズマー、二塁ウリアス、遊撃タティス、三塁マチャドの布陣は近年低評価だったパドレスの内野守備を一気にアップグレードする。

まだ攻守においてFangraphsのFans指標は2019年時点でドジャース、カブス、アストロズに次ぐ16+Winをもたらすと評している。さらにホズマー以外の三人は今後数年にわたり成長する年齢だ。

なおマチャド獲得により、もう一人の若手大物FAブライス・ハーパーの争奪戦からは退場というのが大方の見通しだが、そう確実とも言い切れない。

マチャド込みのチーム年俸はまだ$110MM程度とリーグ平均に至っておらず、平均以下のチームがワールドシリーズを制した例は1984年以降僅か3回(2002年エンジェルス、2003年マーリンズ、2015年ロイヤルズ)で、あからさまに平均以下の例は2003年のマーリンズのみである。球団評価額の25%に相当する史上最高額契約という投資の最終目的は、久しぶりのプレーオフ出場にとどまらないだろう。

ハーパー以外のレギュラーレベルのFA獲得はおそらく無いだろう。今季の優勝を目指していないので、すでにピーク年齢を超えた選手が大半のFA市場から急いで即戦力を獲得する理由がない。パドレスはエース級の先発投手が不在だが、トミージョン手術で1年半ほど離脱されるリスクを鑑みると、最短のオプションは今季シーズン半ばで余剰外野手を一方層の薄いインディアンスかフィリーズ辺りに放出し、トレードで獲得する選択肢ではなかろうか。仮に高年俸のマイヤーズを放出するにも、故障とコンバートで低成績明けのため今トレードを模索しても大きな見返りは期待できないだろう。マーゴも2年目の壁に面しコルデロは肘の故障明け。レンフロー、レイエスらもトップスターターを招き入れる程の成績は残していない。残留、放出いずれにせよ、2019年は彼らの実力見極めの年でもある。

パドレスは過去ワールドシリーズ出場2回を含む5回プレーオフに出場しているが、いずれの時も主な戦力補強は即戦力ベテランのトレードで行われており、ここまで長期的なボトムアップの育成をベースにした入念なチーム作りは球団史上初めてである。強力なファーム組織を以てしても埋めきれなかった三塁レギュラーの座を超大物FAで補強することにより、パドレスの2020年優勝という目標はチームの内外に明確に発信されたと言えるだろう。
posted by つかみ男 at 18:40| Comment(0) | パドレス-人事異動 | 更新情報をチェックする

2018年01月31日

ケビン・タワーズ死去

1995年から2009年までパドレスのGM職を務めたKTことケビン・タワーズが、甲状腺がんで56歳の若さで亡くなった。

日本語でも報道されている。 『投手として1982年ドラフト1巡目(全体1位)でパドレス入り 』となっているが、正しくは二次ドラフト( 過去に指名されて契約に至らなかった選手のみ対象。1965年から1985年まで適用)の全体1位であるため、現在のドラフト税遺体1位指名とは意味合いが異なる。いずれにせよ大きな期待が寄せられていた投手だったが、AAAで肘を故障しメジャー経験なく選手引退。スカウト職を経て、1995年にパドレスGMに就任。1998年のNL優勝を含む4度の地区優勝にチームを導いた。

2017年のワールドシリーズ第4戦中に行われたガン闘病の啓蒙プロモーション"Stand Up To Cancer"にて、アストロズのA.J.ヒンチ監督は支えたいガン闘病者の名前を書くプラカードにケビン・タワーズの名を記した。それ以前にKTの病状はメディアで取り上げられることはなかった。ただ親しい間柄の野球関係者は知っており、昨年のスーパーボウルパーティーはKTの様子伺いもかねて、代理人バリー・アクセロイド宅にて、セオ・エプスタイン( カブス球団社長 )、カーク・ギブソン(ダイヤモンドバックス元監督)、ブライアン・キャッシュマン(ヤンキースGM)、バド・ブラック(元パドレス、現ロッキーズ監督)、フレッド・アールマン・ジュニア(パドレスアシスタントGM)と催された。

KTは伝統的なスカウティング手法と統計を共に取り入れた初期のGMだったが、誰にでもオープンで人間味あふれる誰からも愛される男だった。昨今のテキストメッセージより会話でのコミュニケーションを好んだ。シーズン直前にいきなり同地区ライバルのドジャースを見下すような様な発言をして相手の闘争心に火をつけたり、ダイヤモンドバックスがスティーブ・フィンリーをパドレスに送るのをためらっているのを見て「俺たちをハンセン病療養所扱いにしている」等とコメントしたり、時にオープン過ぎるためtwitterをやっていたら間違いなく炎上していただろう。

パドレスGM在任中は常にチーム予算不足に悩まされながら、創造的な補強を行っていた。特にブルペン陣は低予算でトップレベルに構築する補強はお手の物だった。選手をトレードで放出した代償に金銭とトレッドミルを獲得したりもした。ちなみにすぐに壊れたらしい。

しかし一方で緩い一面もある。パドレスのアシスタント達はチームのプライベートジェット移動時は、後方に座るKTから目を離さないように気を付けていた。というのも、選手達との距離を置かないKTがトランプを興じビールが進むうちに、つい複数年契約を約束してしまうことを恐れていたからだ。しかしその心配甲斐なくその投手3年契約を結んでしまう。数週間後、その投手が打ち込まれているのをプライベートボックスから見ていたKTは「このピッチャーは酷いな。うちの先発ローテーションにいるのが信じられない」と罵詈雑言を放っており、アシスタントたちは頭を振るほかなかったという。

また豪腕 使い捨てされる15億ドルの商品 -
豪腕 使い捨てされる15億ドルの商品 - では、怪我ですぐ休みがちな若い選手達について愚痴るオールドスクールな一面も記されていた。

パドレスGM解任後、2010年シーズンからダイヤモンドバックスGMに就任し、初年度に地区優勝。しかし翌年以降チーム成績は下降し、2014年オフに解任。翌春、単身アリゾナで働く後任GMのデイヴ・スチュワートに部屋を貸していたのは、他でもないタワーズだった。スチュワートが就任する際、ダイヤモンドバックスはタワーズに別のポジションを打診したが、自分が連れてきたスタッフも居るため影響力を球団に残すのはスチュワートに対してフェアではないと固辞した。実に好漢である。

バックネット越しに投手有利なペトコパークに文句を言うフィル・ネビンと試合中に口論したり、ゲン担ぎでホフマンの登板時はオフィスに籠って見ない等、とにかくエピソードの枚挙に暇がない。

個人的には、私がピオリアの春季トレーニングを観戦した2004年、マーク・グレイスをそっちのけでピオリアでサインボールをもらった事が思い出だ。無理やりで申し訳なかったが2ショットも撮った。グウィン、ホフマンに勝るとも劣らないパドレスの英雄だった。
posted by つかみ男 at 19:41| Comment(0) | パドレス-ニュース | 更新情報をチェックする

2014年06月18日

トニー・グウィン逝去

ワールドカップなんかもうどうでも良いよもう。グウィンが死んじゃったよ。

元サンディエゴパドレス選手トニー・グウィンの訃報を受け、全米各地の球場ではな形で喪礼が払われた。デトロイトのコメリカパーク、彼のイニシャルと共に内野左側に記された「5.5」とは、彼のヒットが多く飛んだ三遊間を意味する。

日本でも訃報は多く取り上げられた。


首位打者8度のパドレス一筋・グウィン氏、唾液腺がんで死去(スポーツ報知
 米大リーグで8度の首位打者を獲得するなど「安打製造機」の名をほしいままにしたトニー・グウィン氏が16日、唾液腺がんのため死去した。54歳だった。
 グウィン氏はサンディエゴ州立大から81年のドラフトでパドレス入り。82年から01年まで20年間プレーした左投左打の外野手で、通算3141安打、135本塁打。戦後大リーグ最高の打率3割9分4厘をマークした94年から4年連続首位打者を獲得するなど通算打率も3割3分8厘を誇った。また、NBAのクリッパーズからもドラフト指名を受けたアスリートで、盗塁も319を記録している。ゴールドグラブ賞は5度受賞。04年に背番号「19」がパドレスの永久欠番となり、07年に資格取得初年度で野球殿堂入りを果たしていた。

現役引退後は母校サンディエゴ州立大の監督として大学生の指導にあたっていたが、10年に自ら唾液腺がんを告白。「現役時代から愛用していたかみたばこが原因かもしれない」と語っていた。



パドレスは今年2月、長年試合実況を務めたアナウンサーだったジェリー・コールマンも失ったが、彼は89歳まで生きた。ジェリーを失った悲しさそして故人の比較は無粋を承知だが、パドレスファンにとって54歳で生涯を閉じたグウィンを失ったことのショックは比べものにならない。

通算打率.338、ホーナス・ワグナーに並ぶナショナルリーグ首位打者8回という記録以外に彼の凄さを語れる数字のひとつは三振の少なさ。1シーズンに最も喫した三振数がたったの40。ちなみに同じく三振を奪う相手としては手強いイチローの規定打席到達シーズン中、喫した最三振数が53である。グウィンが3三振を喫した試合は生涯1試合だけ。その3三振を奪った元ドジャース投手ボブ・ウェルチは、奇しくも先週亡くなった。

グウィン、イチローに続いて好打者の名を連ねるなら、最後の4割打者テッド・ウィリアムズ。グウィンはテッドと打撃理論について対等に語れる数少ない人物だった。1999年ボストンでのオールスター始球式に付き添ったのはもちろんグウィン。二人は自分達以外の打者が、投手が投げ始めてから打撃に準備するまでのタイミングが遅すぎると語っていた。ともすれば仙人同士の語らいにも聞こえるが、共感しえる点があったのだろう。ちなみにテッドはサンディエゴ生まれで、高校生当時パシフィックコースト・リーグというマイナーリーグの球団だったサンディエゴ・パドレスでプレーしたことがある。

グウィンの輝かしい功績に対し、彼がキャリアを過ごした唯一のチームであるサンディエゴ・パドレスというチームは栄光に縁遠い。1984年以来2度目の出場となった1998年ワールドシリーズ、緒戦でデビッド・ウェルズからヤンキースタジアムの右翼3階席に弾き返した意地の一撃は今でもパドレスファンの語り草である。しかしこの試合を含め、このワールドシリーズで4連敗している。45年間のパドレス球団史で、スウィープを喰らったワールドシリーズのホームランがファンの心に刻まれている。裏を返すなら、パドレスファンの矜持を保つための名場面を見つけるには大舞台が少なすぎるのだ。

長年負け続けるだけならカブスやメッツでも出来るが、サンディエゴはシカゴやニューヨークに比べれば小さい商圏。活躍してもスポットライトが当たる機会には恵まれないし、負けてもレイトショーでジョークのネタにもされない。そんなチームのためだけに、MLB史上有数のバットマンは20年間プレーした。大型契約や選手生命を延ばせたかもしれないDH制のあるアメリカンリーグへの移籍には目もくれずに。

そしてグウィンがサンディエゴで過ごした時期は、現役時代だけではない。

サンディエゴ州立大学在学中には野球と共にバスケットボールもプレーしていた。正確には大学1年時にはバスケしかプレーしていない。ポイントガードとして活躍し、当校の1試合・1シーズン・キャリア最多アシスト記録を保持している。報知による前述のとおり、NBAドラフトでサンディエゴ・クリッパーズに10巡目で指名を受けたが、180cm程度の身長では当時同カンファレンスで対戦したチャールズ・バークレーのような大型選手がひしめくNBAでは通用しないだろうとの判断から、同日にMLBドラフトで3巡目指名したパドレスに入団した。晩年増加した体重と加え、この大学時代の二足のわらじがキャリア晩年彼を苦しめた膝痛の原因だったとされている。

彼の魅力は選手成績だけでは語れない。チームメイト、記者、リポーター、ファンにも紳士的に接し、非常に親しみやすい人物だった。彼の名前が冠せられた大学の野球場、トニー・グウィン・スタジアムでグウィンと会ったことがある。

2001年に現役生活を終えてすぐ、母校であるサンディエゴ州立大学のコーチになった年だった。現役時代の前も後も、彼はサンディエゴに居た。自分も同じ学校に通っていた。野球部への募金をもらう代わりにサインをして「この調子ならスコアボード代の払いも早く終わるな」と笑っていた。人懐っこい笑顔としゃがれた高いトーンの声が忘れられない。

先にも書いたが、サンディエゴは田舎ではないものの、そう大きくはない街だ。私が住んだことのある街のフランチャイズ・プレイヤーでは、同じくアメリカの西端シアトルで活躍したケン・グリフィーとかぶらなくはないが、ビル・ゲイツやカート・コバーンの様な他方面での著名人はサンディエゴにいない点で異なる。

しかしグウィンほど街に愛されただけでなく、ひとつの街を愛したヒーローもまた稀有だろう。グリフィーやエドガー・マルティネス、ジェイ・ビューナーは「ミスター・マリナー」であっても「ミスター・シアトル」とは呼ばれない。グウィンはパドレス、NFLなど他の地元スポーツという枠に収まらず、サンディエゴの歴史においてもっとも有名な人物だったのではなかろうか。パドレスは希代の大打者トニー・グウィンがプレーする事を選んだ唯一のチームであることがパドレスファンの、そして街の誇りだ。俺のチームには、俺の街にはグウィンが居た。サンディエゴはグウィンの街だった。

安らかな眠りを。そして先に旅立たれた家族に心の平穏が訪れんことを。

全ての思いは拙速な文章で記しきれる訳もないが、2001年最終試合後の現役引退セレモニーで彼がファンに伝えた言葉を、彼へのはなむけとして贈りたい。

Thank you, thank you, thank you.

さようなら、ミスター・パドレ。さようなら、ミスター・サンディエゴ。
posted by つかみ男 at 00:55| Comment(2) | TrackBack(0) | パドレス-ニュース | 更新情報をチェックする

2013年11月02日

ラーメン店「むつみ屋」経営会社が破産

ラーメン店「むつみ屋」経営会社が破産
http://sankei.jp.msn.com/region/news/131101/kng13110121020006-n1.htm

久しぶりのブログはかつてと同様にBUI(blogging under influence)、酒気帯び更新でご容赦を。

東京駅地下のラーメンストリートに今年半ばまで出店していたが、残念ながらむつみ屋はフランチャイズチェーン系というイメージが強く唯一足を運ばなかった店だった。

大手チェーンが寡占するハンバーガーや牛丼と違い、単独のラーメン屋が多くのシェアを確保する事は難しい。バーガーや牛丼よりと比べ味の多様性が高いことに加え、カウンターで食する所謂「独り飯」にしては単価が高い点が理由として考えられるだろう。そして独りの客が多いため、店舗辺りの集客キャパシティはハンバーガー屋、ともすれば牛丼屋より少ない。麺料理と少ないメニューで粗利は他の外食より高いが、少しでも人気が出れば店舗辺りの売り上げがすぐ頭打ちになる。

とはいえ業態の特性上、コーヒーやアルコールなど飲料を求める客を集めてランチとディナータイム、また夕食後の収入を得る営業が難しい。牛丼屋と同じく調理者と料理を客に運ぶ者が同一である事がとかく都市部では前提なため、独り客の高回転率を考えるとフロア面積を大きく取ることによる賃料および人件費の出費がかさむ。

裏を返すと小さい店舗と少ないメニューで店舗経営が可能なため、独立までの修行期間が他の外食産業より短くて済む。そのスピードがラーメンの流行を加速させる。ラーメンの流行の速さはバーガーや牛丼の比ではない。70年代のどさん子ラーメン、つけ麺大王、珍珍珍しかり、90年代に話題になったなんでんかんでん、じゃんがららーめん、一風堂、光麺、そのいずれも現代の業界を代表する立場に君臨してはいない。君臨できるはずも無い。いかに美味しかろうが、どこでも食べられるラーメンを望む顧客はそう多くない。ここに東京ラーメンストリートへのむつみ屋出店のジレンマを感じ取ることが出来るだろう。全国100店舗以上あるむつみ屋を、他の行列店を差し置いて選ぶ理由はあるだろうか?自分はその理由をおぼえることが出来なかったため、一度も訪れることは無いまま閉店した。言葉は悪いが他の行列店のおこぼれを与ることで自店の認知度を高めるという出店策とも取れるが、ここでもラーメンの希少性や話題性とのジレンマにぶち当たる。人気の無い、しかも他店舗で食することが容易いラーメンを、わざわざ東京ラーメンストリートで食べる必要があるだろうか?だとしたらラーメン以外の食べたい物を提供する店に行けばよいのでは、ここは東京だゼ?と。

またどこでも毎日食べられるラーメンを提供するには、現代のラーメンは競争の過熱化ゆえに風味がより濃くより個性的に尖り過ぎている。個人的には好みだが豚骨ラーメンにその日常性の提供は成し得ないと考えている。また日高屋や幸楽苑など低価格を含めたどのラーメン屋も、マクドナルドやすき家にはなれない。そして中村屋Essenseや表参道ヒルズに店を構えたちゃぶ屋系列の「MIST」が閉店した例を見ると、高価格帯への移行も難しい。

となるとラーメンの事業拡大は不可能なのかという結論が導かれるが、個性を保ちつつ店舗数を増やした実例として気に留まるのがスターバックス。このチェーンはラーメン屋とは対照的に、ランチとディナータイムの集客に悩み迷走した。いかにこの食間を埋めるかに腐心する必要があると思う。スタバと違う点は、ラーメン屋は客単価が高い割に雰囲気を売り物に出来ていない。昼と夜の間に休業するラーメン屋は多いが、ここで節約できる費用は人件費と光熱費だけで地代は同じだ。

ラーメン屋の限界は独り客の多さを見込んだカウンタ席にあると考える。これらをセルフサービスのテーブル席に変える事が出来たら、他商品やサービス提供の可能性が広まるだろう。雰囲気と匂い的にコーヒーは難しいが、内装の洗練さ次第では中国茶の提供で集客は可能ではないだろうか。一店舗でそれを行っても利益の確保は難しいが、他店舗経営となると食事時間帯以外の集客力が新たな糧となるのではなかろうか。とはいえ全体的に過剰供給という印象は否めない。

むつみ屋の創業者である竹麓輔をネットで調べると夕張で炭鉱夫として働いていた父親の下に生まれ、今までも幾度か自殺を試みるまで追い込まれる程の苦難に苛まれた半生を歩んでいる事が分かる。奇しくも命を絶つ試みは全て失敗に終わり、それを「生きろ」というメッセージと受け取ったという。当然今回の苦難にも挫けず生きるだろうし、もしフランチャイズが残るなら一度足を運んでみたいと思う。かつて普通に求められていたラーメンの味を再確認したいから。
posted by つかみ男 at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 青春という名のラーメン | 更新情報をチェックする

2012年08月26日

つかみタイムズ10周年+

確か2002年8月22日につかみタイムズを立ち上げた気がしたので、何か書いたほうが良いかなと思ったのですが、実は8月18日立ち上げだったので静かに10周年を達成したつかみタイムズの文章を書く人つかみ男ですこんにちは。まぁ10年のうち後半3分の2は開店休業状態だったので、10年の軌跡をどうこういうというよりは、10年前にサイトを立ち上げてから10年が経ちましたという方が適切ですね。

10年前の自分はサンディエゴでMBAに通っていたけれど中退し2004年に帰国。自転車で都内を徘徊し、小泉政権下で日本中が好景気と勘違いしていたのを見計らって奇跡的に30歳で就職を果たしました。その後暇にモノを言わせて色彩検定3級や大型バイク免許を取得し、留学の中途半端さへのせめてもの落とし前として会計職が嫌いなのにUSCPA(米国公認会計士)試験をパスし、結婚し、転職(また会計職)し、息子を授かった10年でした。

あとここに書いていない事で今思い出せる大きなイベントというと、1998年に初めて留学したシアトルに10年ぶりに訪れ、USCPA試験の前日(当然この時の試験は不合格)にも拘らずマリナーズ対ロイヤルズ戦を見ました。良い球場だと思ったけれど、デーゲームだしマリナーズ弱いしでガラガラでした。あとタコマの素っ気無い球場でマリナーズ3Aレイニアーズの試合も観たな。他には光熱費込み$220で半地下に住んでいた築90年位のシェアハウスがまだ残っていて驚いたり、Redhookのビール工場で美味しい出来立てのブロンドエールを飲んだり。留学していた時はティーバック持参して大学のカフェテリアで5セント払って紅茶を飲んだりしていた程に金が無かったから、初めての住んだ海外の街を殆ど観光できなかったんだなと思いました。

10年前にはまだパドレスがクオルカムスタジアムでプレーしていて、ネビンがダイビングキャッチをして骨折し(翌年はダイブキャッチで肩を脱臼)、ブライアン・ローレンスがエースで、ボビー・ジョーンズが二人居たり、デイビー・クルーズが早いカウントから打ちにいき凡退したりしていました。現在ネビンはタイガースAAAの監督です。

今年のパドレスもあまり把握していないのですが、気が付いたらキップ・ウェルズやジェフ・スーパンが先発していたので、ははぁんさてはこの後8年間投げていないジェフ・ダミーコも獲得して2003年の栄光輝くピッツバーグ・パイレーツ先発投手陣の再結成(チーム防御率4.64)を訳も無く目指しているんだろとか思っていました。そうしたら2003年にこそ居なかったにしろ、昨年まで4季パイレーツに在籍しうだつの上がらない成績を残したロス・オーレンドーフまでが6月に加入し、投手天国ペトコパークをホームになんとまぁ景気の良い7.77という確変防御率を叩き出したので、これはきっと昔のパイレーツみたいに負け込ませて長期契約を結ばなければ将来の費用も下がってお買い求め易くなりますよ次期オーナー候補の皆様フロム皆さんお久しぶりジョン・モーアスです夫婦は仲睦まじく暮らさないと尻の毛までむしられるぞ的な教義めいた話を僕らに伝えたかったんでしょと思ったら、投手陣の故障が相次いでいたんですね。もし故障がなければなんて声も聞きますが、仮に健康であったとしてもそんなに優れた投手陣ではなかったので、下手にプロスペクトを早く上げすぎて戦力がピークに達するタイミングをバラけさせるよりは良いのかなとか思います。


最近の野球については、ファンタジーベースボールで個人成績は追っているけれど、試合は全く観てません。MLBファンブロガーとしてかなりアレな発言ですが、正直3時間近く試合を見る集中力と熱意が保てなくなっている気がします。歳のせいなのか生活環境の変化かはたまた娯楽全体の変化なのか、野球に限らず、他のスポーツ中継も映画も意識が細切れになります。断片化は意識だけでなく思考にも及んでいるみたいで、たまにtweetはしてもブログの様な文章を書くための腰が上がらなくなります。


また、10年前よりブログの役割が限定されてきた感を覚えます。私人が書く今日は誰とアレ食べたウチの赤ちゃん超可愛すぎるから車検通らないんじゃないのモウといった『ウェブ日記』的な文章はFacebookやmixiといったSNSに収斂されました。それに伴い筆者のバックグラウンドに興味を持つ読者を持つブログは別にして、ジャンルに特化したニュースや情報提供ブログ以外は自分自身がそんなに読んでいないです。そしてこの文章を読んで頂ければお分かりの通り、日本帰国後のつかみタイムズは差別化がされていないので、パドレスの動向を追えてないここ数年は、正直何を書いたらよいのやらという感じです。とはいえ何かの拍子で書きたい事が浮かぶかもしれないので、ブログは閉鎖せず継続します。


最近読んでいる本は『オタクの行動経済学者、スポーツの裏側を読み解く』(原題:"Scorecasting" トビアス・J・モスコウィッツ,L・ジョン・ワーサイム著)です。スポーツと行動経済学という2大トピックで既に、カツカレーみたいな好物オンザ好物という感じです。『マネーボール』の様に、スポーツにおける非合理性を題材にしている本なのですが、『マネーボール』がストーリーテリングを主としているのに比べ、この書は非合理性を紹介し分析する事に重点を置いています。まだ読んでいる途中ですが、久しぶりに面白いスポーツ本に出合えた気がします。野球だけでなく、アメフト、バスケに詳しいとなお面白いかも。


文末にはなりますが、つかみタイムズに今までお付き合いいただいている読者の皆様には、本当に感謝の気持ちで一杯です。出来れば実際にお会いできれば嬉しいので、興味がある方はメールかコメントでご一報頂ければ幸いです。ありがとうございます。そして僅か1年半前に7年契約を結んだエイドリアン・ゴンザレスをよりによってドジャースに放出したレッドソックスは何してくれやがるんだこの野郎です。
posted by つかみ男 at 22:28| Comment(2) | TrackBack(0) | 今日俺 | 更新情報をチェックする

2012年04月04日

2012年シーズン開幕

半年間ブログを更新せず久々にログインしたら、ユーザー登録を要求されたのが面倒で、そこで断念しそうになったつかみ男ですこんばんは。

今年もMLB開幕の日を迎えるわけですが、ちゃんとしたロースター解説はまさ2さんにお任せするとして、今年はパドレス弱えなというより、NL West弱えなという印象を持ちました。アリゾナ以外はどこもバランスを欠いているなと。

ジェド:ホイヤー前GMの頑張りもあって、Keith Lawにプロスペクト選手層ランキングで30球団中1位というお墨付きをいただいたけれど、どちらかというとスーパースター候補を抱えているというより、将来のレギュラークラス候補の頭数が多いという浅く広いマイナー層を形成しています。ブレイクしそうな選手もレッズから来たアロンソ以外は特にいないですかね。強いて言えばルーキとメイビンがもう一皮剥けるかな位でしょうか。マイナー有望株のメジャー昇格にもう少し時間が掛かりそうなのに、今年クウェンティンとストリートを獲る必要が有ったのだろうかという気がします。とはいえ本職三塁のダーネルを無理やり外野で使うのもサービスタイムを消化するのが勿体無い感じもするので、カイル・ブランクスに再びチャンスが巡ってきたのですが、肩の痛みでDL入り濃厚だとか。

そんな中で地区優勝争い(地区全体が弱いのでワイルドカードの可能性は低い)に絡むには、ボルケスの復活に期待でしょうか。あとは長年話には上るけれどいつもどおりなヘッドリーの長打力開花でしょうか。とはいえ近年は中距離に徹しているっぽいのでそこも厳しそうですが。

とはいえ開幕です。まだ借金ゼロです。Go Padres!
posted by つかみ男 at 22:17| Comment(0) | TrackBack(0) | パドレス-ニュース | 更新情報をチェックする