ご存知の読者さんも多いかと思われますが、パドレスの筆頭オーナー、ジョン・モーアスの離婚に伴う財産分与の影響で、ピーヴィー、ホフマン、グリーン等の主力選手放出による年俸大幅削減に取り組んでいます。モーアスがパドレスを購入する以前、93年にマグリフ、シェフィールドを放出した時のような戦力削減による暗黒時代の再来が案じられています。
2009年に$11M、2010〜2012年合計(2013年チームオプション含む)で$52Mの契約を結んでいるピーヴィーはNLでのプレーを希望しており、アストロズ、ブレーブス、カブス、ドジャース等にトレード話が持ち込まれた。ピーヴィーの契約には完全トレード拒否権が付帯されており、有力なトレード先と思われていたブレーブスへのトレードに対し「もし自分と交換でエスコバルがパドレスに行くようなら、俺が将来投げるチームのショートが居なくなって困る」という旨のコメントを発していることからも交渉への制限が多く難航した後、交渉は破談に。
2008年に防御率3.77ながら、30セーブ、46/9といういまだ高レベルな三振/四球比率を記録したホフマンに対し、1年固定$4M+オプション及び交渉余地無しというオファーを提示。低評価に不満を覚えたホフマンがオーナーとの直接会談を申し入れるも拒否されオファーは撤回。タイガース、インディアンス、カーディナルスから話を聞くことに。
FA権取得前最後のシーズンとなる2009年に$6.5Mのサラリーが保証されているグリーンは2008年、打率.213、10HRと低迷。そしてその自らの不調に憤りを抑えられずロッカールームの物置を殴り左手にヒビを入れてしまいシーズン終了。またその怪我による欠場分に相当するサラリー$1.47Mに対し、パドレスは返還請求の陳情をしているが、進展は来年のスプリングトレーニング以降になるとのこと。今オフにタイガース、オリオールズ等への放出が噂されているが、こちらも進展はなし。
ピーヴィーは意外に放出話がまとまらずに残留の可能性があるんじゃないかなと思います。本人は残留を希望していますし、昨年のサイヤング投手を放出してまで同地区ライバルのドジャースと取引したいかは疑問です。高く吹っかけようにもピーヴィーがトレード拒否権を持っている以上、取引先が限られているのはサンディエゴの方ですし、先のブレーブスの件と同様に少なくとも現レギュラーの確保は難しいです。そこまで不利なトレードを敢行したいかは疑問です。それでもせざるを得ない状況かもしれませんが。
ホフマンはロッカールームで誰も逆らえなくなるほど特別な存在になりすぎている故に、パドレスは出したくて仕方が無いという話を小耳に挟んでいたので、「ああやっぱりな」という感じです。ホフマンのあと3年プレーしたいという要求は41歳のリリーバーに対して飲んで良いものとは思えませんが、さすがに1年$4M固定は再契約の意思が無いのと同然。本気で再契約を試みるなら、KTお得意の『出来高オプション満漢全席1年契約+2年目は1年目による出来高オプション合計、フルで活躍すれば2年合計$14M』あたりが提示されそうですし。戦力的には正直なところクローザーはヒース・ベルでなんとかなるんじゃないかと思いますが、今シーズンはブルペンが崩壊しているためいずれにせよ補強が必要になります。長年チームの顔であったベテランとのやりとりに関してホフマンと言い分が食い違っていたり、電話やFAXだけで交渉を打ち切るなど、金銭面以外でのフロントの対応が拙いですね。おまけにオファーを取り下げたということは調停を申し込むつもりもなさそうなので、他球団に獲得された時点で補償ドラフトピックも貰えないです。
ところでジャイルズの$9Mチームオプションを行使せずにホフマンと再契約すれば良いのではという意見も目にしますが、もしエイドリアン・ゴンザレス、ピーヴィーに次ぐWin Share Above Bench(10)を記録したジャイルズをホフマン(2)のために放出する事態になったら、それこそフロントに勝つ気はなくホフマン観たさに客が呼べれば良いのではとしか考えていないのでは疑ってしまいます。もっとも、オプション行使を拒否すればタダでチームを去られる可能性があるのですが。仮にジャイルズが拒否する事を期待して補償ドラフトピック狙いで調停申請しても、昨年ボストンへのトレードを蹴ったジャイルズが調停に乗ってくる可能性は決して低くなく、調停にもつれ込んだ場合には来季年俸が$9Mで済まない可能性が高いので、来年もトレードの餌にされる状況は十分に想定できます。
グリーン放出は致し方ないですね。今思えば放出するに最適なタイミングを逸した感があります。ただ現段階でグリーンに次ぎ遊撃レギュラーの座に最も近い選手が、28歳で.677OPSのルイス・ロドリゲスというのは心もとない。
正直なところまだ代わりに誰を獲得するかが決まっていない現段階で、やり繰りの良し悪しに対する総合評価は難しいです。アリゾナに1年$3Mという、ホフマン以上に侮辱的なオファーを提示されて退団が決定的となったランディ・ジョンソンでも獲得するなら面白いなと思いますが、ビッグ・ユニットは優勝候補チームを希望しているらしいので、来年のパドレスには実現は難しそうです。
ひょっとしたら、調停権を得たばかりの若手レギュラーをバッサバッサと他球団に放出する代わりに、有望株を育てて最低年俸で勝率5割をマークし、贅沢税の分配をせしめるフロリダみたいなチームになるとも限りません。もっともパドレスにそんなあこぎなチームになってもらいたいかは別ですけど。ただここのところのパドレスの動向を目にすると、本当に来季はお金が無いんだなと痛感させられるので、贅沢税ゲット目的の大粛清は十分可能性ありだなと思います。贅沢税制度がなかった元祖ファイアセールが起こった1993年と比べて、オーナーにとって年俸削減の旨味は増していますし。
最後に楽観的な史実をひとつ。悪名高い1993年の叩き売りで獲得した先行き怪しい選手達の通算Win Shareは、パドレスが放出した実力証明済みのベテラン達の同数字を157対86で凌いでいます。ただ皮肉にも1993年以降、その先行き怪しい選手達や放出したベテランの中で最も高い通算Win Shareをマークしたのは、シェフィールドの代わりにフロリダからやってきた若きリリーバー、トレバー・ホフマンなのですが。
【パドレス−ニュースの最新記事】


