2011年03月31日

2011年MLBシーズン開幕

フランスが日本にまで来て自国の原発保護に必死になっている間にああもうこんな季節ですよ。MLBが始まってしまうのですよ。

ダスティン・モズリーがローテーションに入っているチームの行方を占うのは何とも景気の悪い話ですが、あの苦労人ティム・ストーファーが開幕投手を務めることは嬉しいです。2004年にレイクエルシノアで観たのが最初で最後だったかな。2003年のドラフト全体4位指名で、当時周りの1A+の選手と比べて、明らかに身体がプロのピッチャーとして出来上がっていたのに、故障続きでローテーション入りまでここまで時間が掛かってしまいました。ただ、昨年中継ぎで活躍しチャンスをものにし、先発ローテーションすら保証されていなかったのに、今回の大役を得るまでの復活+成長ぶりは見事。

他の投手陣に関しては、大ブレイクは期待できそうにないけれど、お手ごろ価格で手堅い補強をしているなという印象です。

エイドリアン・ゴンザレスに代わってオーランド・ハドソンが3番に入っているチームの打撃陣について語るのも気が乗りませんが、ラドウィック、ホープ、バートレット全員が復活しても得点力不足は否めないですね。ベナブル、メイビンが成長してくれたとしても得点源にはなりそうもないですし。OBPが.350を超えそうな選手が誰一人居ないです。ブランクスの回復に一縷の望みを託すか。

NL西地区で勝ち目があるとすれば、先発陣が獅子奮迅の大活躍をするしかないです。レイトスとストーファーが昨年同様の活躍をし、リチャードの制球が落ち着き、サイモン・カストロがシーズン途中にメジャー昇格し新人王クラスの活躍をすれば、ひょっとしたら85勝に届くかもって感じです。ただ現実的には、ダイヤモンドバックスと4位争いでしょうか。

ともあれまだ0勝0敗。半年間4勝3敗を続ければ地区優勝です。Go Padres!


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2011年02月05日

俺が好きな結婚ソングは大塚博堂の「ダスティン・ホフマンになれなかったよ」

これね。
http://www.youtube.com/watch?v=vpmJWjT7yuU

今日2月5日に、結婚式を挙げて同日入籍いたしました。式場にお越しいただいた皆様、有り難うございました。写真撮影で長い間笑顔を強いられたので、口の中が渇いて仕方なかったです。

なんというか、このblogを書いている人生の間で、まさか自分の結婚の報告をする日が来るとは思っていなかったです。正直結婚してもblogの内容的には全く変化がないとは思いますが、もし数年後手の平を返したように子供の写真と自慢で覆われたblogに様変わりしてケビン・タワーズのケの字も出なくなったとしても、そっとしておいてください。たぶんないと思うけど。
posted by つかみ男 at 22:27| Comment(2) | TrackBack(0) | 今日俺 | 更新情報をチェックする

2011年01月28日

俺の顔を知らない人には御免なさい

mixiで旧友に

踊ってる男が、昔の「つかみ男」にみえてしまうのは俺だけ?

と呟かれた動画がこれ。



曲初のポジション右から二人目。顔のパーツ一つ一つがそっくりって訳ではないんだけれど、佇まいとポカンと開いた口が似てるわ。
posted by つかみ男 at 19:55| Comment(1) | TrackBack(0) | 今日俺 | 更新情報をチェックする

2011年01月21日

クオルス、ゾーン獲得

パドレスは昨年アリゾナとタンパベイに所属した後にFAになったリリーフ右腕、チャド・クオルスと1年$1.5M+2012年バイアウト$1.05Mの契約を結んだ。2008年にヒューストンからアリゾナにトレード移籍し、2009年にアリゾナで抑えを務め 3.63ERA、24セーブを記録したが、8月末に膝を脱臼し、手術でシーズン終了。そして故障明けの2010年には8.29ERAと大不振。タンパベイにトレード移籍後も防御率5.57と振るわなかった。 2011年で33歳になる。

また、39歳のベテラン捕手グレッグ・ゾーンとマイナー契約を結んだ。昨年はミルウォーキーで28試合に出場し、.265/.350./392を記録。

トランザクション分析(クオルス)
インパクト・・・☆☆☆☆
スマート・・・☆☆☆☆


昨年の大不振への見方で評価が分かれるが、個人的な印象は実質$2.55M1年という契約内容は妥当な数字か、相場から見ると若干安目。ただワゴンセールコーナーからの発掘が伝統的なパドレスのリリーバーにしては若干お高め。2012年のオプション額は示されていないが、評価が地に落ちた2010年からの挽回を求めるゆえの一年契約であるため、再契約はおそらくない。先に放出したムヒカ、ウェッブ、ラッセルよりも格上のリリーバーなので、リリーフ陣の質はアップしたと考えて良いだろう。

2007-2009年の3年平均BB/9が2.2と、元々コントロールが良い投手なので、故障からの回復が順調なら2010年のBB/9、3.2はおそらく好転するだろう。2010年は四球が増えただけではなく、ヒット率もキャリア平均を上回っていた。コントロールさえ戻れば、2009年並の活躍も期待できそうだ。当初はロングリリーバーの起用が見込まれるが、アダムス、グレガーソンのいずれかが戦列を離れる様な事態になっても、セットアッパーを任せられるだろう。もしくはヒース・ベルをシーズン途中で放出した場合、シーズン後半に再び抑え役が回ってくる可能性も考えられる。

トランザクション分析(ゾーン)
インパクト・・・☆☆
スマート・・・☆☆☆☆


ニック・ハンドリーのバックアップ捕手の座をロブ・ジョンソンと争うことになりそうだが、右肩の故障で昨年のシーズン後半を棒に振っている。キャリアOPS.344は魅力だが、試合に出られるまでに回復しているかどうかが鍵。盗塁阻止率24%という低い数字もネック。とはいえメジャー登録で80万ドルというマイナー契約なのでリスクは最小。
posted by つかみ男 at 17:11| Comment(0) | TrackBack(0) | パドレス-人事異動 | 更新情報をチェックする

2011年01月13日

トレバー・ホフマン引退

MLB史上最多通算となる601セーブの記録を持つトレバー・ホフマン投手が、引退を発表しメジャー18年のキャリアを終えた。現役引退後は、パドレスのフロント職に就くことが決まっている。通算1035登板、防御率2.87、1133奪三振。

1993年にフロリダからデビューしたホフマンはその年の夏、ゲーリー・シェフィールドとリッチ・ロドリゲスの交換トレード相手として、他2選手とともにパドレスに入団。パドレス史上記憶に残る"Fire Sale"、チーム年俸大幅削減のためのトレードだった。100打点を叩き出した若き主砲シェフィールドの交換相手として、ファンから見れば物足りない無名選手だった若きホフマンは、パドレス入団直後に登板した4試合全てで失点。その後の活躍ぶりからすると思いもよらない、苦々しい新天地でのキャリアの始まりだった。

その後のホフマンの活躍は言うに及ばず、2008年シーズンまでの16年に渡り、552セーブをパドレスで挙げる。AC/DCの"Hell's Bells"をバックで入場するシーン、通称"Trevor Time"は後に多くの抑え投手の登板シーンに模倣された。抑え役の地位向上にも一役買ったことは、殿堂入りが確実視されているホフマン以前に通算最多セーブ記録を保持していたリー・スミスが、いまだ殿堂入りを許されていない事からも明らかだ。4度のポストシーズン進出、1998年のワールドシリーズ進出にも貢献。その間8度のオールスター選抜、2度のサイヤング投票2位という名誉も授かった。

90年代半ばぐらいまでは95マイルの速球を誇っていたホフマンだが、彼を稀代のクローザーたらしめた決め球は、落差の大きいチェンジアップ。球速が80マイル後半まで落ちたキャリア晩年も抜群のコントロールを駆使し、三振の山を築いた。

現役生活をパドレスで終えるかと思われていたが、当時の筆頭オーナー、ジョン・モーアスの離婚から事態は変動。財産分与によりチーム年俸は大幅削減、2008年オフの再契約交渉はまともなものとならず、ケビン・タワーズは元々割に合わないオファーをすぐに引っ込め破談に。パドレスとホフマンは1993年の出会いだけでなく、別れでも苦い思いを味わった。

FAとなったホフマンはブリュワーズに移籍し、現役最後の2シーズンを過ごした。2009年はパドレス時代と変わらぬ活躍を見せたものの、2010年シーズン前半には不調に悩まされ、クローザー役を失い、シーズン終了後に再びFAに。ブリュワーズが調停を申し出てホフマンが断るという事前の紳士協定により、他チームとの再契約が成立した際には、補償ドラフトをミルウォーキーにプレゼントするという粋な心遣いを見せた。

2010年オフもクローザー職を探し、かつて自らを放り出したケビン・タワーズ元パドレスGM率いるダイヤモンドバックスを入団先の候補としていた。しかしアリゾナがJ.J.プッツと契約した時点で、その可能性は費えた。奇しくも、ホフマンはKTに二度の引導を渡されたことになる。

セットアッパーとしてキャリアを繋ぐ事は出来ただろうが、今までの実績が築き上げた高い誇りがそれを許さなかった。それはそれで良いと思う。実のところ俺はホフマンよりも、入道ことロッド・ベックが締めた試合を観戦した数が多いが、そんな稀有なパドレスファンにとっても、ホフマンは別格だった。できればパドレスでキャリアを終えて欲しかった。しかし実力を買われたものではない、儀礼目的での一日契約を拒んだのもホフマンらしくてむしろ清々しい。

いちパドレスファンとして、ホフマンについては到底語りつくせないせいか、どうしても力が入りすぎてしまう。夜も遅く考えもまとまらないが、書かない事には気がすまない。引退の喪失感はピーヴィー、エイドリアンが去った時の比ではない。パドレスを離れた時はそう思わなかったことを考えると、いつかサンディエゴに帰ってくるだろうと期待していたのだろう。

個人的な印象としては、ゲーム中でも、クラブハウスでも、文字通りパドレスの守護神だった。サンディエゴのFashion Valleyで、一度だけホフマンに会った。帽子にサインをもらい、握手してもらった。頭ちっちゃいなという第一印象だった。初めてホフマンを観たのは、2001年、ブライアン・ローレンスが先発した試合で、確か同点の場面で出てきた。速球派のイメージを抱いていたため、90マイル足らずのストレートに肩透かしを食らった気分だった。しかし今思えば、高く左足を上げる独特のフォームを見られたことは僥倖だ。

他にはグウィンしか居ない弱いチームで、淡々とゲームを締め続けた。でもたまに勝ったりした。

おそらくそう遠くない将来、ヤンキースのマリアーノ・リベラに通算セーブ記録は抜かれるだろう。でも大した問題じゃない。ホフマンの後を継いだクローザー、ヒース・ベルだって前任者に劣らない成績を挙げている。そのチーム編成は決して間違っていないが、ベルの銅像がペトコパークに建つことはおそらくないだろう。

お世辞にもスター集団とは呼べないチームで長年プレーしていたおかげで、一層輝いて見えた。だからこそはっきり言える。

サンディエゴには、トレバー・ホフマンが居た。パドレスは、トレバー・ホフマンのチームだった。
posted by つかみ男 at 00:53| Comment(4) | TrackBack(0) | パドレス以外のMLB | 更新情報をチェックする

2011年01月04日

ブラッド・ホープと契約

パドレスはブラッド・ホープ外野手と、1年$2M+2012年バイアウト$1M(又は相互オプション$6M)の契約を結んだ。前年中から獲得が報道されていたが、フィジカルチェックを終え、契約内容と共に正式発表となった。来年32歳になるホープは、コロラドでラリー・ウォーカーの後釜として2004年にメジャーデビュー。まもなく右翼レギュラーに定着し、2009年には285/384/519/23HRをマーク。しかし2010年は太腿と肋骨部の故障に悩まされ、255/343/432/7HRと振るわず。夏にリリースされた後に加入したレイズでも179/304/333/2HRと良いところがなく、年俸$7.5Mの2010年シーズンを過去最低の成績で終えてFAに。過去7シーズンの平均成績は/279/373/490、120HRを記録。

メジャーでの守備位置は殆んど右翼だったが、パドレスでは大学時代のポジション、一塁を守ることになる。

トランザクション分析
インパクト…☆☆☆☆
スマート…☆☆☆☆☆


安すぎ。ハラングどころじゃない位の新春大バーゲン。ブランクス、リッゾの昇格を妨げない1年契約も良し。ダウンイヤー明けとはいえ、まさかホープが獲れるとは思わなかった。もちろん、屈指のバッターズスタジアム、クアーズフィールドから屈指のピッチャーズスタジアムであるペトコパークに移るため、故障が感知していたとしても862OPSを期待するのは無理な話。しかし左打者だがレフト方向への打球も多いゆえか、ペトコパークでの成績は281/371/451と苦にしている様子はない。このままの成績をシーズンを通して残してくれれば、15-18HRも期待できる。故障明けで右打ちのブランクスが加入すればシーズン中盤からは一塁併用か。

ホープの加入で、一応野手レギュラー陣と先発投手の駒が揃った。正直なところ、ジェド・ホイヤーGMは少ない良くやっていると思う。152OPS+を記録したエイドリアンの放出による得点力ダウンは凄まじいが、二遊間(エクスタイン+ヘアストン弟からバートレット+ハドソン)、中堅(グウィンJr.+ヘアストン弟からメイビン)は前年よりアップグレード。右翼にも一年を通してラドウィックが居る。一極戦力だったエイドリアンの遺産を細かく分散したチーム編成だ。

しかし地区優勝を狙うには全体的に駒が小さく、控えや中継ぎ陣の層が薄い。インターリーグの頃までにブランクスに帰って来てもらわないと、DHサラザーやデノーフィアなんて悪夢が待っている。

忘れてはいけないのは、エイドリアンが居た頃のパドレスも得点力が低かった点だ。1試合あたりの得点はNL16チーム中12位の4.10だ。長打不足は球場の特性を考慮すると致し方ないが、打率.290を残しそうな選手も居ない。ちなみに最後に打率.300を記録したパドレスのレギュラーは、2006年のエイドリアン・ゴンザレスまで遡る。

あと欲を言えばレイトスに次ぐ2番手級のスターターが欲しい。やはりカストロの昇格待ちか。
posted by つかみ男 at 17:44| Comment(0) | TrackBack(0) | パドレス-人事異動 | 更新情報をチェックする

2010年12月30日

アームトロン:レガシー

SF好きではないが、『トロン:レガシー』を見に行こうと決めた。理由は1982年のクリスマス。

幼少の頃、父方の祖母が孫達を集めてクリスマスパーティーをするという習慣があった。クリスチャンではない。プレゼントだけでなく、ローストビーフやらシャンメリーやマッシュポテトを丸めて揚げた料理(料理名失念〉にありつけることもあり、孫たる自分達はそのイベントがかなり楽しみだった。1982年、小学2年生時のクリスマス、祖父母にあらかじめ頼んでおいたプレゼントが、アームトロンという名前の玩具。言葉での説明でイメージしてもらえるか不安だが、ロボットアームを、そのアームの土台についている2本のスティックで動かせるというもの。小学校に上がる頃にヒーロー特撮関連玩具を卒業して、先の特撮モノより現実的なロボットの未来性に心を奪われていた。大人の世界でも産業のロボット化なんて言葉が行き交っていた頃だった気がする。

いざラッピングされたプレゼントを渡された時、予想していたより箱が小さい事に不安を覚えた。恐る恐る空けてみたら、出てきたのは件のアームトロンではなくLSIゲーム。赤青黄3色カラーの電卓ゲームみたいなものだ。

馴染みのない大人っぽいキャラクターの横に並ぶのは「トロン」というロゴ。その年ディズニーが上映した映画のキャラクター玩具だ。

望みの品と異なる見知らぬ玩具をプレゼントにされたショックに沈む自分の気持ちに気付くこともなく、周りの大人達や従兄弟は「良かったねー」とはやし立てる。その声に圧されてとりあえずプレーするも、どう楽しんでよいのか分からない。しばらく変に空気を呼んでというか、ごちゃごちゃした気持ちが落ち着かなかったこともあってか平静を保ってそのゲームで遊んでいたが、帰宅後に内弁慶ぶりが爆発。「あれが欲しかったんじゃない!」と泣いて喚いて両親に抗議。

正直回想しながらこの文章を書いている今ですら、面倒くさい子供だなと我ながら気恥ずかしくて腹立たしくてそして何より呆れるが、あまりにしつこく抗議したので翌日か翌々日、アームトロンと交換してもらう事に。後世の歴史家が云う所の『トロンの乱』である。

この件以外には、本当に良い思い出としか結びつかない祖母だった。歳の割りに若々しく人で、母親に間違われることすらあった。子供心に自慢に思っていて、マークIIクーペをマニュアルで運転して、ショートホープを吸っていた。毎年親戚一族で箱根に行ったり、より頻繁に稲村ガ崎の別荘に連れて行ったりしてくれていた。

クリスマスプレゼントを用意してくれた祖母はわがままな孫の態度にも拘らず、彼女の間違いを認め詫びた後、「でも男の子は簡単に泣くもんじゃありません。親の葬式でも泣いたりしちゃいけないって言われているのよ。」と自分に告げた。



それからも泣き虫は中々治まらず、我がままに至っては今でも治まっていないが、それから7年後、孫や子供に愛された祖母が亡くなった時、泣いていなかったのは自分と親父だけだった。親父も同じ様に教わってきたのだろう。約束を果たしたぞ、と勝手に思っていたのを覚えている。



そして2010年の秋、他の映画を見に行った際、映画館で『トロン:レガシー』の予告映像に遭遇。あぁ、ずいぶん昔の映画の続編を今頃になってやるもんだなと思った。もちろん、突き返したクリスマスプレゼントに描かれたキャラクターが出ていた映画の続編だ、とも。

1982年製作の『トロン』は、単に興味が沸かず観たことがなかった。プレゼントの件に対する後ろめたさで避けていたという思いも、少なくとも意識はしなかったとは思う。同年作『E.T.』の様な社会現象にはならなかったし、なにより小学2年生にとって、コンピュータ内のプログラムが現実の人間を支配しかねないという、トロンの世界感を理解し興味を示すにはまだ早すぎたのだろう。見かじったCG映像が未来的だったという印象だけだった。

28年経っての続編だから、前作を観ないと話が分からないなんて不便はないだろうが、1982年の『トロン』を観ておきたいと思った。

tron.jpg

間違ったプレゼントに今更ながらつじつまを合わせて義理を果たす、そんな大げさな気負いはなかったが、なぜか足りないピースを埋める気持ちだった。TSUTAYAでレンタルして観賞

予想はしていたが面白くない出来栄え。当時としてはコンセプトは斬新だが、キューブリックとそんなに違わない。そして何しろ28年前のCG映像だけが売りになっていた映画なので、2010年の未来から見ると衣装の出来栄えは最早コント。ストーリーは説明不足でスカスカ。退屈な時間が流れる中、コンピュータ内の薄暗い世界にライトブルー〈味方陣営〉とオレンジ〈敵陣営〉のコスチュームやマシンが放つ2色の発光が記憶を呼び覚ます。あのクリスマスのゲームと一緒だ。

バイクとかフリスビーみたいなディスクとかゲームの中にも出てきたなと思ったので、ネガティブな理由なのかは分からないが、数日しか遊んでいないゲームの配色が、結構な濃度で記憶に焼きついているものだと感じた。不意なノスタルジーに浸る以外には特に惹かれる部分はない映画をどうにか見終えて、とりあえず世界観は掴めた。

その日の午後に『トロン:レガシー』を映画館で観賞。ストーリー自体はハリウッド映画の定石からは外れず、前作ほどではないが正直よく目にする話だ。言い方を変えれば、定石なので良くも悪くも大外しがなく、万人が安心して見られる。

映像。リメイクではないのだが、前作とは別の意味で懐かしい感じがする。単に前作と同様のキャラクターや言い回しが出ているからというだけではない。トロンは2作とも、それぞれ当時の現代が舞台だが、デジタルの世界はその当時の技術とかけ離れた空想世界だ。時代と共に、描かれた未来像は進化する。中には携帯電話の様に実現化するものがあるし、中にはエアカーや錠剤だけの食事といったイメージの様に、アップデートされた現代と比較して非現実的すぎる印象や願望の変化から枝分かれして打ち止めになり、過去夢見た未来として置いていかれる。いわゆる「あの頃の未来」、一昔前の言葉でいうならレトロフューチャーだ。『トロン:レガシー』は、そのレトロフューチャーの現代映像版だった。

当然前作よりも洗練されリアルになっている。だが、『マトリックス』ですら10年前の作品である現在の発想からデジタル世界を描くと、もう少し有機的なものになるのではなかろうか。現在なら、デジタルの世界も現実と見紛うほどリアルに描く事が可能で、そのことも常識と化している。しかし実際は前作のCGらしき映像の一部はセル画だったらしいというほどテクノロジーが未熟だった28年前は、デジタル映像はデジタル映像らしく、現実世界からかけ離れた直線で描かないと、デジタル世界と受け入れてもらえなかっただろう。その80年代に描かれたネオン管みたいなデジタル世界像を、現代のテクノロジーで映像化していた。最先端の未来や映像技術ではないが、色合いが良くそれはそれで見ていて心地良い。なお3D上映がメインだが、『アバター』ほど奥行きのある世界を描いたものではないので、どうしても3Dでないと本来の面白さが味わえないという感じではない。

また、そんなレトロフューチャー映像にDaft Punkの音楽が映像によく合っていたと思う。元々Daft Punkはあまりそのレトロ造りと単調さが好きではなかったのだが、今回のSoundtrackはちゃんと聴いてみたいなと思った。

前作を知らないと話の内容がチンプンカンプンという事はないが、せっかく『トロン:レガシー』を見るなら予め前作を見ることをお勧めしたい。ちょっと苦行だけれど、逆に今作が安心して見られる。

ちなみに1982年以降も同様のクリスマスパーティは開かれた。ただその数年後にはプレゼントそのものではなく、現金をもらって自分で買いに行くシステムに変わってしまった。単に孫が買い物をする楽しさを覚え始める年頃になったからか、先の『トロンの乱』が直接の原因だったかは分からない。その頃は現金をもらう方が有り難いなと思ったけれど、今思うと祖父母達のクリスマスを少しつまらないものにしてしまったのかもなと自省する。

既に祖父母は全員他界して久しいため、当然ながら孫であるという自意識はかなり薄れている。そんな遠ざかる苦甘い思い出を、『トロン』が気になり始めてから、今の自分に結び繋げたいと思ったことに気付かされた。奇しくも1982年の『トロン』が現代に映像化されたみたいに。
posted by つかみ男 at 12:08| Comment(2) | TrackBack(0) | 今日俺 | 更新情報をチェックする

2010年12月19日

バートレット、ハドソン獲得

パドレスはジェイソン・バートレット遊撃手+後日発表選手をレイズとの交換トレードで、そしてツインズからFAとなっていたオーランド・ハドソン二塁手をそれぞれ獲得した。ハドソンとは2年契約+2013年バイアウト、総額$11Mとなる契約を結んだ。

来年31歳になるバートレットは元々パドレスが2001年に13巡目にドラフト指名してプロ入りした。しかしカリル・グリーンを1巡指名した翌年2002年の夏、パドレスはブライアン・ブキャナンとの交換トレードでツインズに放出。2004年からメジャー昇格し、レイズ移籍初年度の2008年にはレギュラー遊撃手としてAL優勝に貢献。2009年に.320/.389/.490/14HR/30SBと活躍しオールスターにも選抜されたが、2010年は.254/.324/.350/4HR/11SBと低迷。7シーズンのメジャー通算成績は.281/.345/.385。FA権取得前最後のシーズンとなる2012年のサラリーは$5M。

レイズに送られた選手はアダム・ラッセル、シーザー・ラモス、ブランドン・ゴメス、コール・フィゲロアの4選手。ラッセルとラモスは2010年に中継ぎとしてパドレスで登板したが、ラッセルは4.02ERA、ラモスに至っては11.88ERAとパッとしなかった。ラッセルはピーヴィーとのトレードで2009年途中にホワイトソックスから入団し、ラモスは2005年ドラフトのサンドイッチ指名(1巡と2巡の間:全体35位)。来年26歳のゴメスは今季AAサンアントニオで51試合にリリーフ登板し、1.87ERA、3.72SO/BBと活躍。俊足の遊撃手フィゲロアは来年24歳。今季A+レイクエルシノアで.303/.408/.392/4HR/26SBと、こちらも中々の成績。

33歳になるハドソンもバートレットと同様に昨年は.268/.338/.372と不調で、過去9シーズン中最低の成績。メジャー9シーズンの通算成績は280/.346/.424。

トランザクション分析(ハドソン、バートレットとも)
インパクト…☆☆☆☆
スマート…☆☆


この補強単体の評価は決して低くない。年俸は妥当だと思うし、短い契約年数も問題ない。しかし、チーム全体に視野を広げると不可解だ。この補強により、パドレスは来年何をしたいのか良くわからなくなってきた。エイドリアン・ゴンザレスを放出した時点で、来年はチーム再構築に徹底するのかと思いきや、値段そこそこのベテラン脇役ミドルインフィールダーを二人連れてきた。例えるならそう、主砲にエイドリアン・ゴンザレスを迎えて優勝を狙うチームが足場を固めるような補強だ。だが来年のパドレスは優勝候補ではなく、そして一塁レギュラーと主砲不足のまま、残り少ない予算を$10M程使ってしまった。これでおそらくデレック・リー級の一塁手獲得は難しくなっただろう。ホルヘ・カントゥ、トロイ・グロース辺りでもギリギリだろう。

二人とも守備は巧い。ハドソンの二塁守備は両リーグでトップクラスだろうし、バートレットも平均以上だ。だがバートレットの2009年の活躍は高いBABIP(.364)に支えられた結果なので、ラッキーだったいう見方が強い。バートレット獲得のために放出した選手については、ゴメスとフィゲロアが気になるが、このトレードがニュースになった当初名前が挙がっていたラッセルとラモスだけでは、さすがにレイズはバートレットを手放さないだろうと思っていた。

パドレスのマイナーにも翌年メジャーで貢献できそうなミドルインフィールダーは居ないので、外部から獲得するしかなかった点は納得だが、もう1ランク下げて(例:エクスタイン再契約)浮いた予算を一塁手獲得に充てるか、もしくは2012年の補強に回すという選択肢もあったのではないか。バートレットとハドソンはそこそこ有用なレギュラー選手だが、彼らが打撃の中核を担うことはないし、この二人を獲得しなかった事で来年の観客数が減るとも思えない。もっともこの様な疑問はパドレスに限らず、チーム再建中と称しながら、そこそこの大枚をはたいて準主役以下のベテランを獲得してしまう、低迷スモールマーケットチーム全てに対するものなのだが。

ただ、この補強への評価が変わる可能性があるとすれば、噂されているラドウィックの放出だ。もしラドウィックを放出する事で浮くサラリーを、一塁手獲得資金に注ぎ足して獲得したデレック・リーが復活して、ラドウィックに代わってレギュラーの座を磐石にしたベナブルが左投手を攻略し、カニンガムとメイビンがマイナー時代の成績に裏付けられた期待通りの活躍をし、ヘドリーがペトコパークでも普通に打てるようになり、ストーファーが1年を通して先発登板し、シーズン後半にはサイモン・カストロとケイシー・ケリーが昇格し、グウィンの癌が完治し、サンフランシスコとデンバーとLAとフェニックスの球場上空に現れたUFOが選手を吸い上げた後に他の銀河へ消えてしまったら、なんとか地区優勝争いに加わる事が出来るのではないだろうか。その際には、脇役ベテラン内野手獲得の意味があったと云えるだろう。
posted by つかみ男 at 18:53| Comment(0) | TrackBack(0) | パドレス-人事異動 | 更新情報をチェックする

2010年12月14日

アーロン・ハラングと1年契約

パドレスはシンシナティからFAになっていたアーロン・ハラング投手と1年$3.5M+2012年の相互オプション($5M又は$0.5Mバイアウト)契約を結んだ。2006年と2007年にレッズで16勝を挙げたハラングだが、昨年の成績は腰痛に悩まされたこともあり、登板数は22試合に留まり、6勝7敗、防御率5.32と低迷した。おそらくレイトス、リチャード、ストーファーと共にローテーションの一角を担う。

またハラングはサンディエゴ生まれでSDSU(サンディエゴ州立大)出身。今回の移籍は地元凱旋となる。

トランザクション分析
インパクト・・・☆☆☆★
スマート☆☆☆☆★


故障明けとはいえ安い。クリフ・リーに次ぐスターターがカール・パバーノになってしまう、FA投手マーケット層の薄さを考慮するとかなり安い。お買い得だが、悪く言えば大当たりは望めない補強。

打者有利なグレートアメリカンから投手有利のペトコに居が移るので、フライボーラーのハラングにはかなり有利。ただK/BBが過去4年で低下(4.19-3.06-3.30-2.16)している点が気になる。シーズンを通して健康なら、3点後半から4点前半ぐらいの防御率が期待できるのでは。
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2010年12月05日

パドレスとレッドソックス、エイドリアン・ゴンザレスの交換トレード合意

パドレスはレッドソックスと、エイドリアン・ゴンザレス一塁手とマイナープロスペクト3人の交換トレードに合意した。パドレスは3プロスペクトに加え、後日発表選手をボストンから獲得する可能性もあるらしいが、40人枠外の選手ではないかとの憶測。

エイドリアン・ゴンザレスは2000年のドラフト全体1位指名でマーリンズに入団。レンジャースへの移籍後の2006年開幕前、アダム・イートン、大塚晶則、ビリー・キリアンの3選手との交換トレードで、クリス・ヤングとターメル・スレッジと共にパドレス入り。2006年シーズンから一塁レギュラーに定着し、HRがMLB中最も出づらいペトコパークを本拠地にしつつも、5年間で161本のHRを記録する活躍。2010年の成績は.298/.393/.511という数字だが、球場特性を除いて計算したAdjusted OPS+は152とMLBで7位。昨年までオールスター3年連続出場を果たす。

パドレスが獲得する見込みの3プロスペクトはケイシー・ケリー投手、アンソニー・リッゾ一塁手、レイモンド・フエンテス中堅手で、3人ともレッドソックスのトップ10プロスペクト。

ケリーは2008年のドラフト1巡(全体30位〉指名で、Baseball Americaのランキングではボストン内のトッププロスペクト。2009年まで遊撃手との二足のわらじを履いていたが、2010年から投手に専念。今季は2Aで制球に苦しみ、95回を投げ防御率5.31といまひとつな成績だったが、20歳で2Aに到達し、投手専門初年度という点を考慮すると、成長の余地は十分残されており、いまだスカウトの評価も高い。

21歳のリッゾは2007年のドラフト6巡目で、ボストンのBAランキングは3位。2010年は1A+と2Aで.260/.334/.480/25HRをマークし、奇しくも20歳当時のエイドリアン・ゴンザレスが2Aポートランドで残した記録と酷似している(266/.344/.437/17HR)。パワーだけでなく一塁守備も長所だが、対左投手の攻略と三振の減少が課題。

19歳のフエンテスはカルロス・ベルトランのいとこ。2009年ドラフト1巡(全体28位〉指名で、ボストンのBAランキングは6位。初のプロフルシーズンとなった2010を1Aで過ごし、.270/.328/.377/5HR/42SB。ベルトランと同様に身体能力は高く、ボストンではBest Athleteの評価を受けていた。

トランザクション分析
インパクト…☆☆☆☆☆
スマート…☆☆☆☆


FA後の再契約を結ぶ経済力がパドレスに無い事は周知の事実だったため、ここ2年ほど噂が絶えなかったA-Goneのトレードが遂に実現に。その代償に全くの不足というわけではないが、レッドソックスで今後6~7年は40本HRを打つであろう一塁手の交換相手として、もう少し良いプロスペクトが貰えなかったのか?というのが率直な印象。もっとも、交換相手となったプロスペクトの実力は元ボストンのアシスタントGMだったジェド・ホイヤーGMや、同じくボストンでアマチュアスカウティングディレクターだったパドレスの現アシスタントGMジェイソン・マクリードも把握しているはずなので、その目利きに期待したい。

契約を1年残してのトレードだが、時期はベストだろう。2010年に1~3年前の1巡指名選手2名とボストンのトップ10プロスペクト(+もう一人)を獲得する方が、2011年末のFAの代償として、2012年のドラフトピックを2つ貰い2015年のメジャー昇格を待つよりはリターンが大きい。半年後よりも今のどちらにおいて、ゴンザレスのバリューが高いかと言われれば微妙だが、ほぼピークに達していると呼んで差し支えないだろう。

チーム再構築期間と目されたパドレスの2010年は、思わぬ活躍で優勝争いをすることなったが、このトレードにより2011年は確実に「捨て」の一年。ケリーとリッゾのメジャー昇格は、どんなに早くても2011年シーズン後半だし、メジャー初フルシーズンは2012年。フエンテスについては2013年だろう。

4人目の選手が決まっていない理由は、今週ルール5ドラフトを控えており、40人枠外のロースターを動かせないせいだろう。キューバ出身のホゼ・イグレシアス遊撃手は40人枠に入っているため、獲得の可能性は低そうだ。

パドレスにとって直近の問題は、当然ながら来年の一塁レギュラーと得点源。昨年の今頃ゴンザレスの後継者と見込まれていたカイル・ブランクスはトミー・ジョン手術からの回復中であるため、来季開幕には間に合わない可能性が高い。となると2010年に3Aで.301/.382/.517/18HRと好成績を残したマイク・バクスターか。もしくは外部からの獲得となるが、チーム年俸はゴンザレス放出後でもなお余裕が無いため、コナーコ、カルロス・ペーニャといった大砲の獲得は期待できない。おそらくライル・オバーベイ、トロイ・グロース、マイク・スウィーニー、イグゼイビア・ネイディー辺りだろう。いずれにせよ大幅な得点力ダウンは避けられない。

そしてもうひとつの痛手は観客収入。通常、観客動員数は優勝争いをした年よりも翌年に増加するケースが多いのだが、ゴンザレス放出により優勝を狙う姿勢を放棄した2011年の増員は見込めそうもない。

メキシコ国境付近で生まれ育ったエイドリアン・ゴンザレスという選手は、ペトコパークに移転後のサンディエゴ・パドレスにとって随一の看板選手と呼んで相応しい活躍を残した。ペトコにおける貢献度だけならピーヴィー、ホフマン、ヒース・ベルより上だろう。パドレス歴代でもトップ10に入る働きだと言えるだろう。サンディエゴではKT時代に安い契約で働かされていたが、ボストンなら8年$150Mも夢ではない。その長期契約が終わる頃には、交換相手としてパドレスにやってきた選手のうち一人でも、パドレスの新たな看板選手となってくれれば幸運だ。その可能性の多くはケリーに懸かっているのだが、現段階においてオールスター級ほどの未来は予想されていない。
posted by つかみ男 at 21:37| Comment(0) | TrackBack(0) | パドレス-人事異動 | 更新情報をチェックする
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